定期的に運動することの重要性は、多くの人が知っています。実際に運動習慣がある人は、そうでない人に比べてさまざまな病気の発症リスクが低くなることがわかっています。

そしてこれは、痔も例外ではありません。痔を予防・改善するためには、運動することが効果的なのです。

ただテニスやサッカー、野球などのスポーツを行うためには、まとまった時間が必要となります。またスポーツの種類によっては、ラケットやバットなどのスポーツ用具を揃える必要があります。そのためこのようなスポーツは、時間や金銭などの面で負担がかかります。

これに対してランニングは、少しの空き時間で行うことができます。またランニングのために特別なスポーツ用具を揃える必要もありません。このことからランニングは、もっとも人気のある運動方法の一つです。

しかしながら痛みを伴う痔を発症していると、歩くだけで痛みが起こります。当然のことながら、歩くと痛い痔を発症していれば走ると痛いです。そのためこのような場合では、ランニングによって痔の症状が悪化するように思えます。

では痔のときには、ランニングをしても大丈夫なのでしょうか? また痔のときにランニングをする場合は、どのようなことに注意したらいいのでしょうか?

そこでここでは痔とランニングの関係性について解説し、痔を生じているときにランニングするコツを述べていきます。

ランニングと痔の関係性

痔にはいぼ痔(痔核)と切れ痔(裂肛)、あな痔(痔瘻)の3種類があります。これらのうち歩行時に特に痛みが強くなるのは、いぼ痔と切れ痔です。

いぼ痔とは肛門組織がうっ血して腫れ上がる病気です。いぼ痔の中には肛門内側にできるタイプ(内痔核)と肛門外側にできるタイプ(外痔核)の2種類があります。

これらのうち外痔核には強い痛みを伴います。特に外痔核は皮膚と擦れる位置に発症するため、歩行時に激しい痛みが起こります。

また内痔核の発症初期では、内痔核が肛門内側にとどまっています。ただ悪化していぼ痔が大きくなってくると、肛門からいぼ痔が脱出するようになります(脱肛)。このような状態になると、歩行時にいぼ痔が擦れて痛みが起こるようになります。

切れ痔は肛門の皮膚部分にできた裂け傷のことをいいます。傷に触れるとビリビリとした痛みが走るのと同様に、切れ痔部分に負担がかかると強い痛みが起こります。歩くと切れ痔部分が擦れるため、切れ痔を生じていると歩行時に痛みを感じやすくなります。

そして歩行時に痛むということは、走ったときにも痛むということを意味します。そのためいぼ痔や切れ痔などを生じていると、ランニングの際に強い痛みが起こりやすくなります。

ランニングは痔を悪化させるのか?

基本的に、痛いと感じる行為は避けるべきです。

例えば傷口に触れたり傷口が濡れたりして痛みが起こるのは、皮膚の内側の組織に負担がかかっているためです。そのためこのような痛みを感じる行為を続けると、傷の治りが遅くなったり傷が悪化したりしやすくなります。

これと同様に痔によってランニング時に強い痛みが起こるのであれば、ランニングはなるべく避けるべきです。痔が痛むということは、その分だけ患部に負担がかかっていることを意味します。

特に運動強度を増すと、その分だけ患部が痛みやすくなります。そのため痔の痛みが強い場合は、全力疾走やマラソンなどを行ってはいけません。

またランニングする季節やランニングするときの服装などによっては、走ることによって痔が悪化しやすくなります。このようなことから痔を発症しているときにランニングをすることには、痔が悪化するリスクを伴うことがわかります。

ただ場合によっては、ランニングすることによってかえって痔が良くなることがあります。これは運動不足が、痔の原因の一つであるためです。

適切な運動は痔を改善させる

血行不良はいぼ痔や切れ痔などの大きな原因の一つです。そのため血液の巡りを改善させると、痔が治りやすくなります。

例えばいぼ痔は、組織のうっ血によって起こる病気です。そのため血行を良くすると、その分だけいぼ痔内の血液が体内に戻るため、いぼ痔が改善しやすくなります。

また肛門の皮膚部分が血行不良になると、皮膚に酸素や栄養などが送られにくくなります。そうすると皮膚の弾力性が低下して、固く裂けやすくなります。

一方で肛門皮膚の血流が良くなると、裂けにくい健康的な状態になるとともに切れ痔が治りやすくなります。そのため血液の巡りを良くすると、切れ痔が起こりにくくなったり治りやすくなったりします。

このような中、ランニングは下半身の血行を改善させる効果の高い運動法です。下半身の血液はふくらはぎの筋肉が収縮することによって上半身へ戻ります。

そのため走ることによってふくらはぎの筋肉を使うと、下半身の血流が良くなって痔が改善しやすくなります。

またランニングをするとおなか周辺の筋肉が動きます。そうすると筋肉の動きを受けて腸が動きやすくなります。

さらにランニングによって体が上下に揺れると、腸の内容物が出口へと運ばれやすくなります。そのためランニングをすると、便秘が解消されやすくなります。便秘になるとその分だけ痔になりやすくなります。そのためランニングには痔を予防・改善する効果があります。

そしてランニングには、自律神経を整える働きもあります。

自律神経はわたしたちの意思とは無関係に働く神経系であり、胃腸の働きを制御しています。そのため自律神経の乱れが起こると、便秘や下痢などの排便異常が起こりやすくなります。

特に自律神経はストレスを感受する働きも担っています。そのため強すぎるストレスを生じると、自律神経が乱れて少しの緊張で下痢を起こしたり慢性的な便秘が起こったりしやすくなります。

このような中ランニングなどの運動には、ストレスを解消する効果があります。また運動によるストレス解消効果は、運動が好きな人だけではなく運動が苦手な人にも起こります。

さらにランニングのようなリズム運動には、自律神経を整える働きがあることがわかっています。このようなことからランニングは、自律神経を整えて痔を予防・改善する効果の高い運動法であるといえます。

痔のときにランニングをしてはいけないケースとは?

運動不足になると下半身の筋肉を動かす機会が減るため、血行不良が起こりやすくなります。

そのためほとんど体を動かさない生活を続けると、痔が悪化するリスクが高くなります。したがってランニングができるような環境であれば、痔を生じていてもランニングを実践することが好ましいです。

ただランニングは痔の改善に良いと盲信して実践してしまうと、かえって痔が悪化する危険性があります。そのため痔を生じている場合は、ランニングをしてはいけないケースがあることを認識することが大切です。

痛みが激しい場合はランニングをやめる

足に軽い傷ができた場合、おそらくランニングをやめる人はいないでしょう。

例えば転んで膝を軽く擦りむいたとしても、ランニングに影響があると思う人はほとんどいないでしょう。そのためこのような傷を生じても、ランニングの習慣を続ける人がほとんどです。

一方で、事故などで足に深い傷を生じたり足をくじいていたりしているときには、ランニングを休む人がほとんどです。このような怪我を生じている状態で走ると患部が強く痛むためです。また足をくじいているのにもかかわらず無理に走ると、症状が悪化して動けなくなる危険性があります。

これと同様に痔も、走ることによって強い痛みが起こらないようであればランニングを継続することが可能です。

一方で激しい痛みが起こっている場合は、ランニングによって痔の痛みが悪化する可能性が高いです。また運動の強さによっては、痔そのものが悪化することもあります。そのため走ることによって強い痛みが起こるようであれば、ランニングを中止することが大切です。

フルマラソンなどの負担が重いランニングを避ける

前述のように運動することには、健康維持の面で多くのメリットがあります。ただ運動の強度が高いと、体への負担が重くなります。

体が健康であれば、負担の重い運動をするとその分だけ体が鍛えられやすくなります。そのため運動習慣がある人は、体への負荷が強い運動を好むことが多いです。

ただ怪我や病気などを生じている状態で負荷の強い運動をすると、もともとの症状が軽かったとしても症状が悪化しやすいです。

例えば歩いたときには我慢できる程度の靴ずれであったとしても、長時間走ると患部が擦れて痛みが強くなっていきます。また場合によっては皮膚がちぎれて出血が起こることもあります。そのため靴ずれが起こっている場合は、長時間走ることは推奨されません。

これと同様に痔も、走ることによって患部が擦れます。そのため痔を生じている状態で長時間走ると痔が悪化しやすくなります。

また力強く走ると、歩いているときに比べて肛門が圧迫されやすくなります。そうすると肛門付近の血行が悪化して、いぼ痔や切れ痔などが悪化しやすくなります。そのため運動強度の高いランニングは、軽めのランニングよりも痔そのものを悪化させやすいといえます。

特にフルマラソンなどに挑戦すると、周りの人の状態や会場の雰囲気などから途中で棄権しづらい状態に陥ります。そのためマラソンの途中で痛みが強くなっても、無理をして走り続けてしまいかねません。

当然のことながら痛みを我慢して走り続けると、その分だけ患部に負担がかかります。その結果、痔の症状がひどくなるのです。そのため痔を生じているのであれば、症状が軽かったとしてもフルマラソンなどの長時間ランニングは避けるべきだといえます。

ランニングを始めることは避ける

わたしたちの体は、定期的に行っていることに慣れる性質があります。

例えば普段からランニングをしている人は、体がランニングすることに慣れています。そのためランニング習慣がある人は、軽度のランニングが体の負担となることはありません。むしろランニング習慣がある人がランニングをやめると、体への負担が強くなります。

一方で普段ランニングをしていない人がランニングを始めると、体に負担がかかります。また初心者は自分に適切な運動量が分からないため、つい無理をしてしまいがちです。その結果、体がひどく疲労して血液の流れが悪くなりやすくなります。

血行が悪くなると、その分だけ痔が悪化します。そのため普段運動する習慣がない人がランニングを始めると、痔が良くなるどころかかえって悪化する可能性があります。

したがってランニング習慣がない人は、痔を改善するためにランニングを始めることは推奨されません。このような人はまず、ウォーキングから始めるようにしましょう。

手術後はランニングしてはいけない

痔の手術後には肛門部に強い痛みが起こるため、ランニングする気分にならないことでしょう。ただ友人などと走る約束をしていたりマラソンに参加する予定があったりすると、鎮痛剤を服用してでも走ろうとするケースがあります。

ただ痔を含めどのような手術であっても、術後に激しい運動をすることは禁止されています。これは激しい運動をすると、傷口が開いて出血が起こりやすくなるためです。

多くの人が知っているように、出血量が多くなるほど死のリスクが高まります。そして痔の種類や状態などによっては、手術後の傷が大きくなることがあります。そのため運動によってこのような傷口が開くと、命を落とすことにつながりかねません。

また大量出血に至らなくても、体内の血液が少なくなると貧血が起こります。そうすると、ふらつきやめまいなどの症状を生じます。このような症状が出ている中でランニングをすると、転倒して怪我をする恐れが高くなります。

さらに術後の傷口が開くと、その分だけ傷口に病原体が侵入するリスクが高くなります。

病原体が傷口に入り込んで増殖すると、傷口が化膿して治りが遅くなります。この状態を放置しておくと、最悪の場合では患部が腐ることもあります。このようなことからも痔などで手術を行った後は、ランニングなどの激しい運動を避けることが大切です。

痔の際にランニングするときのコツ・注意点

前述のように下半身の筋肉には、血液を上半身に戻す役割があります。そのため普段からランニングする習慣がある人は、走ることによって血行が良い状態になっています。

したがって痔の症状がランニング可能な軽い状態であるならば、痔を生じていてもランニング習慣を続けることが好ましいです。そうすることで痔が改善しやすくなります。

ただ痔の痛みが強くなかったとしても、痔のときに走ると肛門に違和感を覚えます。このような状態では気持ちよくランニングすることができません。

またランニングの仕方などによっては、痔の悪化が起こりやすくなることがあります。そのため痔を発症しているのであれば、以下のような点に注意してランニングするようにしましょう。

軟膏で患部を保護する

痔を生じている状態で歩いたり走ったりすると、患部が擦れて痛みが起こります。そのため患部が擦れないように対処すると、痔の痛みが軽減しやすくなります。

例えば痔の患部に白色ワセリンなどの軟膏を塗ります。

そうすると痔の患部がおしりの皮膚や毛などと擦れにくくなるため、歩いたり走ったりしても痛みが起こりにくくなります。

また痔の痛みが気になる場合は、ボラギノールやプリザなどの痔疾患用の軟膏を使用することもできます。

これらは白色ワセリンに比べて摩擦を防ぐ効果は低いものの、痔の痛みを軽くする成分が含まれています。そのためボラギノールなどを使用すると、患部に痛みを感じることなく楽に走れるようになります。

ただこれらの薬を肛門に塗ると、下着に軟膏が付着します。軟膏は油脂性であるため、水には溶けません。そのため下着に付着した軟膏は、洗っても落ちにくいです。

したがって白色ワセリンやボラギノールなどの軟膏を肛門に塗った際には、ガーゼをおしりに挟み込む形にしておくことをおすすめします。そうすることによって軟膏が下着に付着するのを防ぎつつ、患部の摩擦を軽減してくれます。

運動ペースを落とす

前述したように運動強度が高いほど、体にかかる負担が重くなります。そのため痔を生じている場合は、そうでないときよりも運動強度を低くすることが大切です。

例えば普段10km走っている人であれば、5km走るように軽減してみましょう。また普段と同じ距離を走るのであれば、いつもよりも時間をかけて走ってみるのも有効です。走るペースを遅くすると、その分だけ痔の患部にかかる負担は低くなります。

どれくらいペースを落とせばいいかわからない人は、少し早めのウォーキングという意識で走るといいでしょう。ウォーキングはランニングよりも、痔への負担が少ない運動法です。そのためランニングのペースをウォーキング程度に落とすと、痔への悪影響を少なくすることができます。

冷やさないように気をつける

おしりは他の体の部位よりも冷えやすいです。実際に通常おしりの皮膚は、他の組織よりも冷たくなっています。

このときランニング中は体が温まっているため、おしりの冷えも改善されていると思っている人はかなり多いです。

たしかにランニングは、全身の血行やエネルギー代謝などを向上させて体を温めます。ただ体が熱くなるため、薄着で行われることが多いという側面もあります。

薄着になると、その分だけ体の表面が冷やされやすくなります。実際にランニング後に体を触ってみると、表面が冷たくなっています。特におしりはもともと冷えやすい組織であるため、薄着でのランニングで冷やされることが多いです。

おしりが冷えると、その分だけ肛門付近の血流が悪くなります。つまり痔を生じやすくなるということです。そのため痔を生じているのであれば、ランニング中におしりを冷やさないようにすることが大切です。

例えば寒い季節にランニングを行うのであれば、おしりなどにカイロを当てておくと安心です。また暑い季節であっても、おしりまわりが冷えないように過度な薄着は避けるのが無難です。

またランニング後に座ると、汗をかいたおしりが急激に冷やされて外痔核ができやすくなります。そのためランニング後にはすぐ座らないように気をつける必要があります。

そしてランニングやマラソン後には、お風呂に浸かって体をしっかり温めるようにしいましょう。そうすることでランニングによって冷えたおしりが温められ、痔の悪化を防ぎやすくなります。

まとめ

痔を発症すると、歩くだけで痛みが起こることがあります。そのためランニングは、痔に悪い運動方法だと思われていることが多いです。ただ実際には、ランニングには痔を予防したり改善したりする効果があります。そのため可能であれば、痔であってもランニングすることが好ましいです。

ただ、もともとランニング習慣がない人が痔を改善するためにランニングを始めると、かえって痔が悪化する可能性があります。

またランニングすることに慣れている人であっても、力強く走ったり長時間ランニングしたりすると痔が悪くなりやすいです。そのため痔を生じているのであれば、短距離走やフルマラソンなどの運動強度の高いランニングは避けるべきだといえます。

一方でもともとランニング習慣がある人が痔によってランニングをやめると、痔が悪化しやすくなります。

そのためこのような人は、これまでに述べたようなコツを踏まえて体への負荷の低いランニングを行うことをおすすめします。そうすることで痔が改善されやすくなり、快適にランニングできる日々を取り戻すことができます。


痔であると、トイレの中を血まみれにするだけでなく、座ったときに異常な痛みが起こる人も多いです。トイレのとき、その痛みから私もトイレに行くのが毎日怖いときがありました。

そうしたとき、本気でいぼ痔や切れ痔を治したい方におすすめなのがピーチラックという商品です。ピーチラック(乙字湯)は痔に効く漢方薬であり、医薬品なので痔に効果があると既に分かっています。

ピーチラックは便秘にも効果があり、便を柔らかくしながら痔に対しても改善作用があります。漢方薬なので、一日で劇的な効果を期待することはできません。ただ、一ヵ月以上にわたって服用することで徐々に痔の症状が改善されていきます。

痔の悩みは周りに相談しにくいです。だからこそ、医薬品を活用して本気で症状を治し、元気な日常生活を取り戻そうとする人は多いです。

なお、ピーチラックは楽天やAmazonなどで取り扱いがなく、公式サイトのみ購入できるようになっています。いぼ痔や切れ痔の場合、ピーチラックが効果を発揮します。