痔の市販薬には、ボラギノールやプリザ、リシーナなどがあります。これらはどれも、痔による肛門の痛みやかゆみなどの症状を緩和する作用をもちます。

また痛みやかゆみなどの症状は肛門だけではなく、デリケートゾーンにも起こります。そのため中には、痔とデリケートゾーンの両方でかゆみが起こっている人がいます。

このとき、デリケートゾーンは肛門のすぐそばにあります。そのため多くの人が、痔の薬はデリケートゾーンにも使えると思っています。特に女性向けに販売されている痔の薬であるリシーナは、デリケートゾーンにも使われることが多いです。

ただ痔の薬は、デリケートゾーンに使ってはいけません。痔の薬をデリケートゾーンに使うと、症状が悪化し最悪の場合不妊につながってしまうケースがあるのです。

では、なぜ痔の薬をデリケートゾーンに使ってはいけないのでしょうか? またデリケートゾーンに痔の薬を使うとどのようなことが起こるのでしょうか?

そこでここでは、痔の薬をデリケートゾーンに使ってはいけない理由について解説していきます。

デリケートゾーンのかゆみはなぜ起こる?

一般的にデリケートゾーンのかゆみは、恥ずかしい症状であるとされています。

これは、デリケートゾーンの話題そのものが恥ずかしいこととされるとともに、デリケートゾーンのかゆみは性感染症を連想させるためだと思われます。そのためデリケートゾーンのかゆみを生じている人は、誰にも相談できず悩んでいることが多いです。

ただデリケートゾーンはもともと、かゆみが起こりやすい部分です。そのため正確な人数はわからないものの、デリケートゾーンのかゆみを抱えている人はかなり多いといわれています。

デリケートゾーンは汚れやすい

女性のデリケートゾーンは、複雑な構造をしています。そのためデリケートゾーンには、知らない間に汚れが溜まりがちです。

ただ女性が自分の性器を観察することはそう滅多にありません。またパートナーがデリケートゾーンの汚れに気付いても、それを指摘することはできないでしょう。そのため女性がデリケートゾーンの汚れを自覚しているケースはあまりありません。

それにもかかわらず、デリケートゾーンの正しい洗い方を知らない女性は多いのが現状です。

これはデリケートゾーンの話題はタブー視されがちであり、親子であっても情報を共有しないことが多いためです。そのため自分が思うよりも、デリケートゾーンに汚れが溜まっている人はかなり多いのです。

デリケートゾーンに汚れが溜まると、その分だけ雑菌が繁殖しやすくなります。そうすると、デリケートゾーンにかゆみが起こりやすくなります。

またデリケートゾーンの汚れには、トイレットペーパーやおりもの、尿、汗なども含まれています。

このときデリケートゾーンに含まれる汗は、わきがのニオイ原因と同じ種類のものです。そのためデリケートゾーンに汚れが溜まると、かゆみだけではなく悪臭も起こりやすくなります。

このようなことからも、デリケートゾーンにかゆみや悪臭などが起こっている場合は汚れが溜まっていることを疑う必要があります。そのためこれらの症状が出ているのであれば、デリケートゾーンをしっかり洗うようにしましょう。

下着の種類によってはかゆみが起こりやすくなる

乾燥が肌の大敵であることはよく知られています。一方で、過剰な湿気も肌を傷める原因となります。

例えば、お風呂に浸かっていると指がふやけます。これは皮膚の表面が水分を吸収して膨張するためです。膨張した表面部分がたわむことによってシワが現れます。

このような状態になると、皮膚のもつバリア機能が低下します。すると、外からの刺激に弱くなって傷つきやすくなります。これと同様に、皮膚が過剰な湿度にさらされるとバリア機能が低下します。

このとき、デリケートゾーンは内側に入り組んでおり、常に下着に包まれています。そのためデリケートゾーンはかなり蒸れやすいです。

さらに高湿度は細菌にとって好都合な環境です。そのため下着の中では細菌が増殖しやすいです。

増えすぎた細菌は、皮膚に刺激を与えます。このとき皮膚が蒸れて弱っていると、細菌による刺激を強く受けて炎症が起こりやすくなります。そのためデリケートゾーンには、蒸れによるかゆみが起こりやすいのです。

さらに女性は、吸湿性の低い下着を身につけることがかなり多いです。

本来下着は、綿や絹などで作られることが推奨されます。これらの素材は吸湿性に優れているためです。

ただ一般的に、女性にとって綿の下着は「子供かおばさんが履くもの」と認識されがちです。また絹の下着は高価であるため、日常的に着用している人は少ないです。そのため多くの女性下着は、絹に手触りの似た化学繊維で作られていることが多いです。

化学繊維は綿や絹などに比べて、湿度を吸収する能力が低いです。そのため化学繊維でできている下着を着用すると、デリケートゾーンがかなり蒸れやすくなります。

また多くの場合女性は、男性用のトランクスのようなゆったりした下着を身につけません。そのため女性のデリケートゾーンは、男性よりもかなり蒸れやすい状況となっており、これによってかゆみが起こりやすくなっているのです。

ほとんどの女性の膣内にカビ菌が住み着いている

膣内には「腸内に住んでいるものと同じ種類の細菌」が住み着いています。

このような細菌の中には、体に悪影響を及ぼすタイプのものがあります。ただ体が健康であれば、このような細菌による影響は現れません。これは体の免疫が細菌の働きを抑制しているためです。

しかしながら風邪を引いたときや生理前、疲労・ストレスが溜まっているときなどの免疫力が低下しているタイミングでは、体に有害な細菌の活動が活発になることがあります。

そうすると、このような細菌による症状が現れてきます。このような症状の代表格が膣カンジダです。

膣カンジダとはカンジダ菌というカビの一種によって引き起こされる症状のことです。カンジダ菌は膣内だけではなく、人間の皮膚や粘膜などにも広く存在しています。

カンジダを発症すると、デリケートゾーンに激しいかゆみやヒリヒリ感などを生じるようになります。

またカッテージチーズやヨーグルトなどに似た白く濁ったおりものが出るようになります。

そのためこのような症状が出ているのであれば、かゆみの原因は膣カンジダである可能性が高いです。

カンジダは性病と間違えられやすい症状です。ただ実際にはカンジダは性交渉の経験がない女性にも起こる病気です。また女性の約5人に1人が経験しているといわれています。

カンジダ菌はさまざまなところに住み着いているため、治療を行っても再発しやすいという特徴があります。

またカンジダ菌は、膣内の善玉菌によって勢力が抑えられています。ただ乳酸菌は石鹸などの刺激に弱いです。そのためデリケートゾーンを石鹸でしっかり洗ってしまうと、膣内の善玉菌が減少しやすくなります。

そうするとカンジダ菌が増殖して膣カンジダを発症しやすくなります。そのためデリケートゾーンはしっかり洗うべき部分ではあるものの、石鹸を使用して洗いすぎると膣カンジダなどによるかゆみが起こりやすくなるため注意が必要です。

性感染症が原因になることもある

大人の女性では、性交経験がある人がかなり多いです。そして性交には、性感染症のリスクが伴います。

性感染症はコンドームの使用によって防ぐことができます。ただコンドームを使用せずに性交渉を行う人は多いです。

実際に、性交渉のたびにコンドームを使用している人は全体の3割程度だったというデータがあります。そのため、知らないうちに性感染症にかかっている人は多いとされています。

性感染症にはさまざまな種類があります。その中でも、性器ヘルペス膣トリコモナスクラミジアなどには、痛みやかゆみなどを伴うことが多いです。

そのためコンドームを使用せずに性交渉を行った経験がある人は、かゆみなどの原因が性感染症であることを疑う必要があります。

デリケートゾーンに痔の薬を使ってはいけない理由

デリケートゾーンは手足などよりも皮膚が薄いため、さまざまな刺激に弱いです。また肛門も、デリケートゾーンと同様に敏感な組織です。そのため痔の薬は、デリケートゾーンにも使えると思われているケースがかなり多いです。

ただ冒頭で述べたように、痔の薬はデリケートゾーンに使ってはいけません。これは痔の薬には、組織の免疫力を低下させるものがあるためです。

痔の薬に含まれている「免疫を抑制する成分」とは?

痔の薬には、大きく分けてステロイド入りステロイドなしの2種類があります。

ステロイドは炎症を抑える作用の強い成分です。そのためステロイドが含まれている痔の薬は、そうでないものに比べて痛みやかゆみなどを抑える効果が高いです。

ただステロイドの炎症を抑える作用は、免疫を抑制することによって得られるものです。

本来炎症とは、体に有益な反応です。具体的にいうと、炎症が起こると患部の周辺組織の血行が良くなります。また炎症を起こす物質には、免疫細胞を呼び寄せる働きがあります。

免疫細胞は細菌などの病原体と戦う「体の防衛軍」のようなものです。そのため組織に炎症が起こると、患部の免疫力が向上して感染症に強い状態となります。つまり、「炎症が起こっている=免疫機能が働いている」ということなのです。

ただ炎症には痛みやかゆみなどを伴います。患部に痛み・かゆみを生じていると不快に感じるだけではなく、患部をかきむしって組織を壊してしまうことがあります。

また痔によって肛門部分に炎症が起こっていると、排便に痛みを伴うようになります。そうすると、痛みを避けるために便意を我慢しやすくなります。

便意を我慢すると、その分だけ便秘が起こりやすくなります。ただ便秘は痔の主な原因の一つです。そのため痔によって肛門の痛みを生じていると、便秘が起こって痔がさらに悪化しやすくなります。

また炎症が過剰になると、正常な皮膚が作られにくくなって組織が崩れやすくなります。そのため痔や皮膚などの病気を治すためには、炎症を抑えることが大切だとされています。

このようなことから、痔の薬には痛み止め効果の強い薬剤・ステロイドが配合されていることが多いのです。

ただステロイドは、炎症を起こす働きを担っている免疫を抑制することによって炎症を鎮めます。つまりステロイドの抗炎症作用には、免疫を抑制するという負の面もあるのです。

そのためステロイドが含まれている薬を使うと、炎症が治まると共に患部の免疫力が低下します。

免疫力が下がるとどうなる?

ステロイドを含む薬をデリケートゾーンに使うと、デリケートゾーンの免疫力が低下します。そうすると、細菌への抵抗力が落ちて感染症が起こりやすくなります。

例えば前述のように、膣カンジダは免疫力の低下によって起こりやすくなる病気です。そのため痔の薬をデリケートゾーンに使うと、かゆみが治まるどころか膣カンジダによる激しいかゆみや異常なおりものなどを生じやすくなります。

またデリケートゾーンの免疫力低下によってクラミジア感染症などが起こると、かゆみが起こるだけではなく子宮内膜や卵管などに炎症が起こることがあります。これらの症状はどちらも、不妊や子宮外妊娠などの原因となります。

さらに性感染症の中には、膣トリコモナス症などの早産や流産などの原因となるものもあります。そのためデリケートゾーンに痔の薬を使うと、かゆみが増大する危険性があるだけではなく、さまざまな病気が起こりやすくなることがわかります。

デリケートゾーンに使える薬とは?

前述のように痔の薬にはステロイドが入っていることが多いため、デリケートゾーンに使用してはいけません。

ただ痔の薬の中には、ステロイドが含まれていないものもあります。厳密にいうとこのようなタイプの痔の薬は、デリケートゾーンに使っても問題はありません。

しかしながら「痔の薬はデリケートゾーンに使える」と思いこんでしまうと、誤ってステロイド入りの薬をデリケートゾーンに使ってしまいかねません。そのためデリケートゾーンにかゆみを生じているのであれば、痔の薬ではなく専用の薬を選ぶようにしましょう。

デリケートゾーン専用のかゆみ止め

デリケートゾーン専用のかゆみ止めでもっとも有名なのは、フェミニーナ(小林製薬)です。他にも、フレディ(ロート製薬)やデリケア(池田模範堂/ムヒの販売メーカー)などがあります。

フェミニーナには軟膏とジェル、ミストの3種類があります。またフレディは、クリームとジェルの2種類で展開されています。

軟膏は水を含まない薬剤です。そのため軟膏には、患部にしみにくい特長があります。ただ軟膏はベタベタとした使用感を伴います。

一方でクリームやジェルなどの薬は、軟膏に比べてベタベタしにくいです。ただ患部に傷ができていると、薬がしみて痛みを感じることがあります。

ミストタイプの薬は、患部に触れずに薬を使うことができるというメリットがあります。ただうまく吹き出すことができないと、場合によってはかゆみが治まらないことがあります。

基本的に同じブランドの薬であれば、薬の形状が異なっても成分は一緒です。そのためデリケートゾーンの薬は、好みの使用感で選ぶことが大切です。

例えば、デリケートゾーンがベタベタするのが嫌なのであれば、クリームやジェルなどの薬を選ぶようにしましょう。またデリケートゾーンに傷を生じている場合は、軟膏を選ぶのが無難です。

デリケートゾーン専用の薬には、局所麻酔成分であるリドカインやかゆみを抑えるジフェンヒドラミン、炎症を抑えるグリチルリチン酸などの成分が含まれています。一方でステロイドはまったく含まれていないので、安心してデリケートゾーンに使うことができます。

ただデリケートゾーンのかゆみが膣カンジダなどの感染症によるものである場合、正しい治療を行わなければかゆみは治まりません。また性感染症を放置しておくと、不妊症などが起こりやすくなります。

そのため薬を使ってもデリケートゾーンのかゆみが治まらない場合は、病院で検査を受けることが大切です。具体的にいうと、10日以上薬を使っても症状が改善しない場合は、薬の使用を中止して検査を受けましょう。

膣カンジダ専用の市販薬がある

膣カンジダは殺菌剤の使用によって治療することができます。

膣カンジダの治療薬は市販されています。そのため膣カンジダが確実に発症しているようであれば、このような薬を使うことによってかゆみの原因を根本から解決することができます。

ただ膣カンジダの市販薬は、病院で膣カンジダの治療を受けたことがある人しか購入できません。また膣カンジダを何度も繰り返している人は使用してはいけません。

そして膣カンジダの薬を使う場合には、たくさんの注意点があります。

例えば膣に挿入するタイプの薬は、薬が溶けると膣から漏れ出やすくなります。そのため膣カンジダの薬は寝る前に使うことが推奨されています。

また生理中は経血によって薬剤が体外へ排出されやすくなるため、使用を控える必要があります。さらに膣カンジダの薬は、症状が消失した後も決められた数を使用し続ける必要があります。これは原因菌をしっかり殺菌するためです。

このような決まりを守らないと、膣カンジダが治らなかったり悪化したりしやすくなります。そのため膣カンジダの薬は、決められた用法用量を必ず守って正しく使うようにしましょう。

まとめ

肛門と膣はかなり近い場所にあります。そのため肛門向けに作られている痔の薬は、デリケートゾーンにも使えると思われていることが多いです。

ただ実際には痔の薬に含まれているステロイドは、デリケートゾーンのかゆみを悪化させることがあります。またステロイドをデリケートゾーンに使うと、子宮内膜炎や卵管炎などが起こりやすくなり、不妊症や不育症などにもつながりやすくなります。

また痔の薬の中には、ステロイドが配合されていないものもあります。ただ間違ってステロイド入りの薬を使わないためにも、「痔の薬はデリケートゾーンに使えない」と認識しておくのが無難です。

このことからデリケートゾーンのかゆみを生じているのであれば、痔の薬ではなく専用の薬を使うようにしましょう。そうすることでデリケートゾーンのかゆみを改善することができ、仕事やデートなどに集中できるようになります。


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痔の悩みは周りに相談しにくいです。だからこそ、医薬品を活用して本気で症状を治し、元気な日常生活を取り戻そうとする人は多いです。

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