病院には病気の専門家がいます。そのため基本的には、病院に行けば病気を治すことができます。

ただ病気の中には、病院に行かなくても治るものがあります。例えば風邪は、栄養や休息などを取ることによって自然に治る病気です。そのため、風邪を治すために病院に行く必要はありません。

また胃痛や下痢などの胃腸炎症状も、病院に行かなくても治すことができます。そのため風邪や胃腸炎などの症状が出た場合、市販の薬で乗り切る人が多いです。

これと同様に、基本的に痔は自然に完治する病気です。このとき市販薬を使用すると、つらい症状を我慢する必要がなくなります。そのため自力で痔を治したい場合は、薬を使用しながら痔が治りやすい生活を送ることが推奨されます。

ただ痔の市販薬にはさまざまな種類があり、それぞれ効果が異なります。また痔の市販薬を使う際には、いくつかの点に注意する必要があります。

では、痔の市販薬にはどのようなものがあるのでしょうか? また、市販薬を使いながら痔を治すためには、どのような点に注意するべきなのでしょうか?

そこで、ここでは痔の市販薬について解説し、市販薬の選び方や使い方などについて述べていきます。

市販薬が使える痔とは?

痔の市販薬には、さまざまなタイプのものがあります。

例えば、痔の患部に直接使う軟膏や坐剤などの外用薬は、痔の薬としてもっとも認知されているタイプの薬です。他にも、血行を良くしたり便秘を改善したりすることによって痔を治す内服薬も存在します。

ただこれらの薬は、どれも「体に備わっている自然治癒力を補助する」という役割をもつものです。そのため自然に治ることがない病気は、市販の薬を使用しても治ることはありません。

あな痔は自然治癒しない

痔には大きく分けて、いぼ痔切れ痔あな痔の3種類があります。

これらのうち、いぼ痔と切れ痔は生活習慣の改善などによって治すことができる病気です。一方であな痔を発症すると、自然に治ることはありません。

あな痔は、直腸や肛門以外の部分に便が入り込むことによって起こる病気です。

直腸や肛門などは、便の通り道です。そのため便がこれらの組織を通過しても、大きな問題は起こりません。一方で、直腸や肛門以外の部分に便が入り込むと、便に含まれる細菌によって組織が化膿を起こすことがあります。

化膿した部分からは膿が発生します。通常、膿は体外へと排出されます。ただおしりの奥の方で化膿が起こると、膿がうまく排出されなくなります。そうすると、膿が出口を求めておしりの中を流れ進んでいきます。

このとき、膿が通ったところには管が形成されます。そして膿がおしりの皮膚や直腸などの方に流れていくと、これらの組織に「膿の出口」ができます。このような病気をあな痔(痔ろう)といいます。

上記のようにして生じた膿の通り道は、自然に消えることはありません。そのためあな痔は自然治癒しない病気であり、治すためには手術が必要となります。このことから、あな痔は痔の市販薬を使用しても治らないということが分かります。

あな痔では、おしりの内部に溜まった膿によっておしりの痛みや全身の発熱などが起こります。また膿の出口ができると、おしりの皮膚などから膿の排出が起こるようになり、下着が汚れやすくなります。

そのため、これらの症状が出ているのであれば、市販薬で治そうとせず直ちに病院に行くべきだといえます。

どのような痔の症状なら市販薬が使える?

いぼ痔と切れ痔は、人体に備わっている自然治癒力によって治る病気です。そのため、これらの痔には市販薬を使用することができます。つまり、薬で症状を緩和しながら病気を治すことができるのです。

いぼ痔では、肛門の中や肛門付近などにぷにぷにとした出来物ができます。これらのうち、肛門内側に生じたいぼ痔を内痔核、肛門近くにできたいぼ痔を外痔核といいます。

内痔核を生じる組織には痛みを感じる神経がないため、内痔核には痛みを伴いません。また基本的に、内痔核は肛門の中にあるため触ることができません。そのため初期の内痔核は、自覚できる症状が少ないことによっていぼ痔に気付いていない人が多いです。

ただ、いぼ痔の表面は傷つきやすい状態になっています。また、いぼ痔は組織がうっ血することによって生じる病気であるため、いぼ痔内には大量の血液が溜まっています。

そのため、進行度の低い内痔核では排便時の大量出血を伴うことがあります。このことから排便時にトイレの中が真っ赤になるほどの出血が起こった場合は、初期の内痔核を発症している可能性があります。

内痔核が進行すると、いぼ痔が大きくなって肛門から飛び出してくるようになります。このような状態になるといぼ痔が痛覚のある組織に触れるようになるため、痛みを感じやすくなります。また、おしりを触るといぼ痔に触ることができるようになるため、いぼ痔を自覚しやすくなります。

一方で外痔核では、肛門付近にコリコリとした出来物を生じます。また、動けなくなるほどの激しい痛みも起こります。そのため、進行した内痔核と同様に、外痔核も「いぼ痔である」と自覚しやすい病気です。

内痔核と外痔核は、どちらも市販薬が使用できる病気です。そのため、排便時の出血や肛門付近の痛み、肛門付近の出来物などの症状が出ているのであれば、市販薬を使って症状を改善できます。

また切れ痔は、肛門の皮膚部分に裂け傷ができる病気です。そのため切れ痔を生じると、便が傷と擦れたときなどにビリビリとした痛みを感じます。このことから排便時に傷に触れたような痛みを感じるような痔も、市販薬を使用できます。

痔の市販薬の種類と使い方

痔を治すために使われる薬は、大きく分けて外用薬と内服薬の2種類があります。

内服薬とは口から飲んで使用する薬のことです。一般的には飲み薬と呼ばれています。

これに対して外用薬とは、内服薬と注射薬以外の薬を指します。一部例外があるものの、外用薬のほとんどは直接的に患部へ作用して症状を緩和する働きをします。

痔の外用薬の種類と特徴

痔の外用薬には、肛門の中に差し込む坐剤と肛門に塗れる軟膏、肛門の中に入れることのできる注入軟膏があります。これらはどれも、痔の患部に作用して痛みや出血などを緩和します。そのため同じ名前の薬であれば、有効成分や効き目などは同じです。

例えば、黄色のパッケージでおなじみのボラギノールAでは、坐剤と軟膏、注入軟膏の3種類が販売されています。

これらに含まれている有効成分の種類や量などは同じです。そのためこれら薬の効き目は、どれも同じといえます。

また痔の外用薬は、ステロイド配合ステロイド非配合の2種類があります。

ステロイドとは、痛みや出血などを抑える作用の強い成分です。そのためステロイドが配合されている薬は、そうでないものに比べて症状を抑える力が強いです。

一方でステロイドには、体に備わっている免疫機能を抑える作用もあります。そのためステロイド入の外用薬を慢性的に使い続けていると、皮膚のバリア機能が低下したり皮膚が薄くなったりしやすくなります。

これに対してステロイド非配合のものは、ステロイド入の外用薬を使ったときのような副作用が起こりません。ただステロイド入のものに比べて症状を抑える効果は低いため、場合によってはつらい症状を緩和しきれないことがあります。

痔のときに使われる内服薬の種類と特徴

痔の外用薬は、患部に塗って直接的に症状を抑えるものです。一方で痔のときに使われる内服薬には、痔の治療薬以外のものもあります。

例えば痔に痛みを伴う場合、痛みを緩和するための鎮痛剤を内服することがあります。また、痔の原因が便秘である場合は、便秘薬によって便秘を改善することがあります。

このことから、痔のときに使われる内服薬は、痔の治療薬鎮痛薬便秘薬の3つに大別できるといえます。

・痔の治療薬

痔を治療するための内服薬は、漢方薬や生薬、病院で処方されるものと同様の薬の3種類に分けられます。

痔の治療に使われる漢方薬にはいくつかのタイプがありますが、とりわけ痔の改善に効果があるとされているのが乙字湯(オツジトウ)です。乙字湯は漢方薬の種類の名前であり、さまざまなメーカーから販売されています。

乙字湯には、血液の巡りや便秘などを改善する働きがあるとされています。これらはどちらも、いぼ痔や切れ痔などの原因となるものです。そのため乙字湯は、いぼ痔・切れ痔の原因の改善にアプローチする薬といえます。

また生薬を主成分とした痔の内服薬には、内服ボラギノールEPなどがあります。これは、患部の血流を改善したり炎症を抑えたりする作用のある薬です。そのためこのような薬を服用すると、痔の症状が和らいだり痔が治りやすくなったりしやすくなります。

一方で、漢方薬ではない痔の市販薬には、ヘモリンド舌下錠などのいぼ痔のうっ血を改善する薬もあります。このような薬には、静脈血管叢エキスという成分が配合されています。

静脈血管叢エキスは、病院で処方されるヘモリンガル舌下錠という薬にも含まれています。また、これら薬に含まれる有効成分の量は同じです。このことからヘモリンド舌下錠は、医療用医薬品(病院で処方される薬)と同じ効果のある薬だといえます。

・鎮痛薬

前述のように、痔の中には痛みを伴うものがあります。特に外痔核などの肛門付近に生じる痔では、日常生活が困難になるほどの痛みを生じます。

通常、痛みによって生活が困難になっても休み続けることはできません。痔によって激しい痛みを生じていても、仕事や勉強などをしなければいけないケースは多いでしょう。そのためこのような場合には、鎮痛薬を内服することをおすすめします。

例えば市販の鎮痛薬には、アセチルサリチル酸(アスピリン)を主成分としたバファリンAやイブプロフェンを主成分としたイブA錠、ロキソプロフェンナトリウムを主成分としたロキソニンSなどがあります。

これらはどれも、頭痛や生理痛などのときに使用されることの多い薬であり、痛みを鎮める効果があります。このような鎮痛効果は、痔による痛みにも有効です。

市販の鎮痛薬は含まれる有効成分によって、それぞれ痛みを止める作用の強さや胃への影響などに違いがあります。また鎮痛薬の中には、妊婦や授乳中の女性などが服用するべきではないものもあります。

そのため、痔の症状緩和のために鎮痛薬を飲む際には、体質や体調、状況などに合わせて適切なものを選ぶことが大切です。

・便秘薬

肛門は便の通り道です。そのため便の状態は、痔の発症に深く関与しています。

例えば便秘によって便が硬くなっていると、便を排出しづらくなります。そうすると排便時に強くいきむことになり、肛門付近に大量の血液が流れ込んでうっ血を起こしやすくなります。

また硬い便を無理やり出そうとすると、肛門が広がりきれずに裂けやすくなります。このことから、便秘はいぼ痔や切れ痔などの原因になることがわかります。そのためこれらの痔を改善するためには、原因となっている便秘を解消する必要があります。

便秘を改善する内服薬には、大きく分けて機械的下剤刺激性下剤の2種類があります。

機械的下剤とは、便を柔らかくして排便しやすくする便秘薬です。機械的下剤の代表的なものは、マグネシウムを含む塩類下剤です。

市販の塩類下剤には、スラーリアやミルマグ、マグネシアなどがあります。

塩類下剤は便に作用する薬です。そのため塩類下剤を服用した場合、便がゆるくなることがあるものの、腸の働きが低下したり腹痛が起こったりすることはありません。

これに対して刺激性下剤とは、腸に刺激を与えて排便を促すタイプの便秘薬です。

刺激性下剤の成分はビサコジルやピコスルファートナトリウム、アロエやセンナなどの生薬などです。これら成分は市販の便秘薬に広く含まれています。

実際に市販の便秘薬のほとんどは、刺激性下剤です。市販の刺激性下剤には、コーラックやスルーラック、タケダ漢方便秘薬などがあります。

刺激性下剤は腸に作用するため、即効性が期待できます。一方で、飲み続けると腸が薬による刺激に慣れてしまい、自力で排便できなくなることがあります。また、腹痛が起こることもあります。

また便秘は、グリセリンを主成分とした浣腸薬で解消することもできます。

浣腸薬にはイチジク浣腸やコトブキ浣腸などがあります。

これらはどちらも、腸に刺激を与えて排便を促すと同時に、腸内を滑りやすくして排便しやすくする作用があります。

浣腸薬は腸に直接注入するため、即効性があります。一方で刺激性下剤と同様に、使い続けると薬なしでは排便できなくなったり腹痛が起こったりしやすくなります。

市販薬の選び方

前述のように、痔のときに使用する市販薬にはさまざまなタイプがあります。そのため市販薬で痔の症状を改善したい場合は、痔のタイプに合った薬を選ぶことが大切です。

また、痔の市販薬を使用したい理由は人それぞれ違います。例えば、症状がつらくて仕事や勉強、家事などに身が入らないという人は、痔の症状を抑える効果が高い薬を服用する必要があります。

一方で、痔をしっかり治すために薬を使用したい人もいることでしょう。このような人は症状を抑える効果が強い薬ではなく、痔が治りやすくなる薬を使う必要があります。そのため痔の市販薬を使う場合には、自分が薬を使いたい理由をしっかり認識することが大切です。

とにかく症状を緩和したい場合

外痔核などの「激しい痛みを伴う痔」を発症している場合、薬を使用して症状を緩和しなければ日常生活が困難になります。そのためこのような痔を発症している人は、「とにかく症状を和らげたい」と思っていることでしょう。

このような場合は、症状を和らげる効果の高い薬を選ぶことが大切です。

例えば、外用薬を使用するのであれば、痛み止め効果の高いステロイド入の薬を選ぶようにしましょう。通常、外痔核の痛みは数日で引いていきます。そのためこの期間にステロイド入の外用薬を使用すると、痛みのピークを乗り切ることができます。

また激しい痛みを緩和するためには、効き目の強い鎮痛薬を使用するという手もあります。

市販の鎮痛薬の中では、ロキソプロフェンナトリウムを含むものが痛み止め効果の高いものとなります。そのため痔の痛みを抑えたいのであれば、ロキソニンSやバファリンEXなどのロキソプロフェンナトリウムを含む鎮痛薬を選ぶようにしましょう。

そして便秘は痔の原因になるだけではなく、痔による痛みを増大させます。そのため激しい痛みを伴う痔を発症している場合は、早急に便秘を改善することが大切です。

ただこのとき、刺激性下剤は下痢を引き起こすことがあります。下痢は便秘と同様に、痔の発症や悪化などの原因となります。そのため痔が悪化するリスクのことを考えると、刺激性下剤の使用はおすすめできません。

一方で、浣腸薬は痔のときにも使用できます。また通常、浣腸薬は効果が現れやすいため頑固な便秘も改善することができます。

ただ、浣腸薬は癖になりやすい便秘薬であるため、使い続けていると自力で排便できなくなっていきます。そのため、浣腸薬の使用はあくまで一時的なものとすることが大切です。

痔をしっかり治したい場合

外用薬や鎮痛薬などは、痔の症状を緩和するのに役立ちます。一方でこれらの薬は、痔の原因そのものにアプローチするわけではありません。そのため痔をしっかり治したいのであれば、痔の原因を改善するタイプの薬を使用することが大切です。

例えば、乙字湯は血行と便秘の双方を改善する薬です。そのため乙字湯を服用すると痔の症状が和らぐとともに、痔そのものが改善しやすくなっていきます。

また、静脈血管叢エキスを含む薬には痛みなどを緩和する作用はないものの、いぼ痔を小さくしていく働きがあります。そのためこのタイプの薬は、いぼ痔をしっかり治したいときに適した薬といえます。

さらに痔を治すためには、便秘にならないことが大切です。そのため痔をしっかり治したいのであれば、塩類下剤を常備することをおすすめします。

塩類下剤は刺激性下剤と違って、癖になることがありません。また下痢や腹痛などを引き起こすこともないため、便秘がちな人の便秘対策に適した便秘薬です。

ただ塩類下剤を飲んでも、摂取する水分量が少なければ便の水分は増えにくいです。そのため塩類下剤を使用する際には、水を多めに摂るように意識することが大切です。

妊婦・授乳婦の場合

妊娠中や授乳中などは、そうでないときに比べて服用できる薬がかなり少なくなります。

例えば、妊婦・授乳婦は痔の内服薬を使用することができません。また、イブプロフェンやロキソプロフェンナトリウムなどを含む鎮痛薬の服用もできません。

一方で外用薬は、内服薬に比べて子供への影響が少ないです。そのため痔の症状を緩和したい場合は、外用薬を選ぶようにしましょう。

また鎮痛薬を選ぶ際には、タイレノールなどのアセトアミノフェンのみを含むものを選ぶことが大切です。

痔のタイプによる選び方

痔の外用薬には3つの形状があり、それぞれ適した痔のタイプが異なります。

坐剤は肛門の中に入れるため、肛門内に生じる痔に向いた薬です。例えば、内痔核や切れ痔などの症状緩和のために使用します。

一方でチューブに入った軟膏は、外痔核などの肛門付近の痔に用います。そのため、肛門の内側に痔を生じている場合は坐剤、肛門の外側に痔を生じている場合は軟膏を使用するようにしましょう。

また、スポイトに軟膏が入っている注入軟膏は、肛門内の痔と肛門外の痔の両方に使用することができます。そのため内痔核や外痔核、切れ痔などを併発している場合は、注入軟膏を選ぶと便利です。

痔を改善する市販薬の使い方

これまでに、痔の治療に使用できる市販薬の特徴や選び方などについて述べてきました。そのため現在痔を生じている人は、買うべき薬の見当がついてきたのではないでしょうか。

ただ自分に適した薬を購入しても、正しく使わなければ薬の効果が十分に発揮されません。そのため痔を自力で治したいのであれば、薬の正しい使い方について理解することが大切です。

外用薬の使い方と注意点

肛門には異物を押し出す力があります。そのため肛門の絞まっている部分に坐剤を入れると、坐剤が肛門外へ飛び出してきます。このことから、坐剤は肛門内にしっかり入れる必要があります。

具体的にいうと、肛門に押し戻されない位置まで坐剤を押し込むようにすることが大切です。このとき指の第一関節が肛門内に入るまで薬を押し込むと、適切な位置に入りやすくなります。

また軟膏を肛門の外に塗る際には、ガーゼを使用することをおすすめします。

具体的には、大きめのガーゼに軟膏を出し、患部にガーゼを当てて薬を塗るようにします。

そうすると患部に直接触れずに済むため、薬を塗る際に痛みが起こりにくくなります。

なお指で軟膏を塗る際には、手をしっかり洗って清潔にしてから患部を触るようにしましょう。

注入軟膏は、ボトルの管の部分が肛門内に収まるところまで差し込んでから薬を注入します。そうすることで患部に薬が届きやすくなるとともに、薬が肛門深くに入り込んで肛門から出てきにくくなります。

なお、坐剤は体温で溶ける設計になっています。そのため室温によっては、常温保存すると坐剤が溶け出すことがあります。このことから、坐剤は冷蔵庫で保存することが推奨されています。

このとき保存温度が低いと、坐剤が硬くなって肛門内に挿入しづらくなります。このような場合には、手のひらなどで温めてから使用するようにしましょう。

一方でチューブの軟膏や注入軟膏などは、常温で保存される前提で設計されています。そのためこれら薬は冷蔵庫に入れず、常温で保存するようにしましょう。

内服薬の使い方と注意点

一般的に、薬は食後に飲むものであると思われています。これは、病院で処方される薬の多くが食後に飲むことを指示されているためだと考えられます。

ただ薬の効果がもっとも発揮される服用のタイミングは、薬の作用や特徴などによってそれぞれ異なります。そのため「薬は食後に飲むもの」と思い込まずに、それぞれに適したタイミングで服用するようにすることが大切です。

・痔の内服薬

基本的に漢方薬は、食前に飲む薬です。これは漢方薬を食後に飲むとうまく吸収されず、十分な効果を得られなくなるためです。

これと同様に、漢方薬の一種である乙字湯は食前や食間などに飲む必要があります。食間とは食べている最中ではなく、食事と食事の間のことです。具体的には、食事から2時間程度が経過した頃を指します。

また漢方薬や生薬などは水で飲むこともできるものの、ぬるま湯で飲むことが推奨されています。ぬるま湯で飲むと、これら薬の効果が現れやすくなるとされています。

このとき、漢方薬は食前に飲む薬である一方で、生薬は食後に服用します。そのため薬を服用する際は、外箱や添付文書などをよく読んで用法通りに使用するようにしましょう。

なお、ヘモリンド舌下錠などの静脈血管叢エキス製剤は、空腹時に舌の下で溶かすことが指示されています。このとき舌下錠を飲み込んでしまうと、十分な効果が得られなくなるので注意が必要です。

・鎮痛薬

鎮痛薬は食後に飲むことが推奨される薬です。これは、鎮痛薬の多くに胃を荒らす副作用があるためです。そのため空腹時に鎮痛薬を飲むと、胃痛やむかつきなどが起こりやすくなります。

ただ基本的に、鎮痛薬は痛みを感じたときに飲む薬です。そして、このようなタイミングが食後であるとは限りません。そのため鎮痛薬は、必ずしも食後に飲めるわけではありません。

このような場合は、胃に食べ物を入れてから服用するようにしましょう。このとき、食べるものはクッキーなどの軽いものでもかまいません。もし軽食も取れないような状況であれば、水を多めに飲むようにすると胃痛などの副作用が起こりにくくなります。

・便秘薬

マグネシウムを含む便秘薬は就寝前に飲むことが推奨されています。こうすることによって、就寝中に便の水分量が増え、翌朝に排便しやすい状態となるためです。

就寝前に飲めないときは、食前に飲むようにしましょう。食後に飲むと薬の効果が十分に発揮されなくなるので注意が必要です。

また浣腸は、薬を肛門に入れてから3~10分程度で効き目が現れます。一般的に浣腸による便意は、我慢するのがつらいです。そのため浣腸は、必ず排便できるタイミングに使うようにしましょう。

成分が一緒でも痔用以外の塗り薬は使わない

ドラッグストアではさまざまな種類の薬が販売されています。このような薬の外箱には、有効成分の種類と含有量が掲載されています。そのため市販薬は、購入者が成分を把握した上で購入することができます。

このとき塗り薬の成分を見ていると、痔の薬と同じ成分が含まれているものを見つけることができます。

そのため痔の薬を探している人の中には、他の患部と併用するために「痔の薬と同じ成分の皮膚用塗り薬」を選んでしまうケースがあります。

ただ薬の効き目を左右するのは、成分の種類だけではありません。「薬の設計」によって、効果の現れ方が異なるのです。

例えば、皮膚には外部から身を守るためのバリア機能が備わっています。そのため皮膚は、粘膜に比べて薬の作用が現れにくいです。特に、角質が厚い部分は薬の効き目が弱くなります。

このとき、顔の皮膚は手足に比べて薄いです。そのため顔に使うために設計した薬は、作用が緩やかに現れるようになっています。このことからこのような薬を手足に使うと、思うような効果が現れません。

一方で、手足の皮膚のために設計された薬を粘膜などの吸収されやすい組織に使用すると、薬の効果が強く現れすぎてしまいます。

そうすると、薬の良い効果だけではなく「悪い効果=副作用」も起こりやすくなります。このことから皮膚用の塗り薬を痔の患部に塗ると、副作用リスクが高くなることがわかります。そのため、外箱に記載されている有効成分の種類や量などが一緒であっても、皮膚用の薬は痔に使用しないようにしましょう。

まとめ

いぼ痔や切れ痔などは自然に治る病気です。そのためこれらの痔は、市販薬をうまく使うことによって症状を和らげながら自力で完治させることができます。

ただ市販薬は、自分に合ったものを選ばないと十分な効果を得られないことがあります。

そのため市販薬を使用しながら痔を治したい場合は、痔のタイプや体調、目的などに合わせて薬を選ぶことが大切です。そうすることによって、日常生活に影響することなく痔を治すことができるようになります。

なお、市販薬を使用しても症状が改善しない場合は、別の病気が隠れている危険性があります。そのためどのような薬であっても、使用から2週間経っても良くならない場合は病院にかかるようにしましょう。


痔であると、トイレの中を血まみれにするだけでなく、座ったときに異常な痛みが起こる人も多いです。トイレのとき、その痛みから私もトイレに行くのが毎日怖いときがありました。

そうしたとき、本気でいぼ痔や切れ痔を治したい方におすすめなのがピーチラックという商品です。ピーチラック(乙字湯)は痔に効く漢方薬であり、医薬品なので痔に効果があると既に分かっています。

ピーチラックは便秘にも効果があり、便を柔らかくしながら痔に対しても改善作用があります。漢方薬なので、一日で劇的な効果を期待することはできません。ただ、一ヵ月以上にわたって服用することで徐々に痔の症状が改善されていきます。

痔の悩みは周りに相談しにくいです。だからこそ、医薬品を活用して本気で症状を治し、元気な日常生活を取り戻そうとする人は多いです。

なお、ピーチラックは楽天やAmazonなどで取り扱いがなく、公式サイトのみ購入できるようになっています。いぼ痔や切れ痔の場合、ピーチラックが効果を発揮します。