痔を発症すると、痛みやかゆみなどのつらい症状が起こります。このような症状が出ていると、歩いたり座ったりなどの日常動作がつらくなります。

そのため痔を生じている人の多くは、薬を使って症状を緩和したいと思っていることでしょう。ただ痔を発症した人の中には、痔の薬を使いたくないケースもあるようです。

このとき中には、「オロナイン軟膏は痔に効く」と聞いたことがある人がいるのではないでしょうか。

オロナイン軟膏は傷薬であるため、家に常備している家庭が多いです。そのためオロナイン軟膏が痔に効くのであれば、ボラギノールではなくオロナイン軟膏で痔を治したいと思うことでしょう。

ではオロナイン軟膏は、痔を治す効果があるのでしょうか? またオロナイン軟膏で痔を治すためには、どのような点に注意したらいいのでしょうか?

そこでここでは、オロナイン軟膏と痔の関係性について解説し、オロナイン軟膏で痔を治す方法を述べていきます。

オロナイン軟膏とは?

オロナイン軟膏は大塚製薬から販売されている皮膚疾患・外傷用の市販薬であり、正しくはオロナインH軟膏といいます。Hはオロナイン軟膏に含まれている成分に由来しています。

オロナイン軟膏は1953年に発売され、1969年にオロナインD軟膏に改名されています。そして現行のオロナインH軟膏となったのは、1972年のことでした。それ以降、サイズや包装などの変更はあったものの、成分などは変わっていません。

オロナイン軟膏の成分

オロナイン軟膏の主成分は、クロルヘキシジンです。

クロルヘキシジンには殺菌作用があるため、傷ややけどなどの患部への細菌感染を防ぐために用いられます。

またクロルヘキシジンの殺菌作用は、ニキビや水虫などの原因菌にも働きかけます。そのためオロナイン軟膏は、ニキビや吹き出物、水虫、たむしなどにも効果を発揮します。

さらにオロナイン軟膏は、グリセリンやワセリン、ミツロウ、オリーブ油などを基剤としています。これらはどれも保湿効果のある成分であり、化粧品に使われることもあります。このことからオロナイン軟膏は、肌の乾燥対策にも使用することができます。

オロナイン軟膏は痔に効くのか?

オロナイン軟膏の添付文書を見ると、効能・効果欄には「にきびや吹き出物、傷、水虫、ひび、あかぎれ」などの項目が確認できます。ただ一方で、「痔」という項目はありません。

そのため公式には、オロナイン軟膏で痔を治すことはできないということになります。

しかしながら、中には「オロナイン軟膏は痔に効くとテレビCMで見たことがある」という人がいるでしょう。実際に過去には、オロナイン軟膏の効能欄に痔の項目があったのです。

このとき痔に効果があるとしていたのは、現行商品と同様のオロナインH軟膏です。このことから、オロナイン軟膏の成分が変更されて痔に効かなくなったわけではないことがわかります。

ではなぜ、オロナイン軟膏の効能から痔が消えたのでしょうか? これは、オロナイン軟膏よりも効果の高い痔の薬が増えたためです。

オロナイン軟膏が痔に効くとされていた時代は、現在よりも痔疾患用薬が少なかったという事情があります。そして痔の一種である切れ痔は、肛門の裂け傷です。そのため傷薬であるオロナイン軟膏が、痔の改善に推奨されていたのです。

ただ現在では、ボラギノールを始めとしたさまざまな痔の薬が販売されています。痔疾患用薬は痔を改善するために設計された薬であり、痔の症状を緩和するための成分が配合されています。

そのため痔の薬は、さまざまな傷に効果を発揮するオロナイン軟膏よりも、痔を改善する効果が高いのです。このことから現在では、オロナイン軟膏の効能に痔が含まれていません。

しかしながら、過去にオロナイン軟膏の効能に痔が含まれていたことは事実です。このことから、オロナイン軟膏が痔にまったく効果のないものであるとはいえません。特に肛門の傷である切れ痔には、一定の効果が期待できます。

オロナイン軟膏の痔への効果とは?

痔は肛門にできる病気です。そして肛門は、便の通り道です。そのため痔の患部は、便に含まれる細菌の影響を受けやすい状態にあります。

便に含まれる有害な細菌の影響を受けると、痔の炎症が悪化しやすくなります。炎症が悪化すると、痛みやかゆみなどの症状がひどくなります。

また患部が細菌によって不衛生な状態になっていると、痔が治りにくくなります。このことからオロナイン軟膏の殺菌作用は、便に含まれる細菌の影響を減らして痔を治しやすくするといえます。

また、肌が乾燥して裂けてしまった経験は多くの人が持っていることでしょう。肛門の皮膚も手足などの皮膚と同様に、乾燥すると弾力性が低下して裂けやすくなります。つまり、切れ痔を生じやすくなるのです。

オロナイン軟膏によって皮膚が保湿されると、その分だけ肛門皮膚が裂けにくい状態となります。このようなことからオロナイン軟膏は、痔を治りやすくする環境を整える働きがあるといえます。

オロナイン軟膏が使える痔

痔には大きく分けて、切れ痔(裂肛)いぼ痔(痔核)あな痔(痔瘻)の3種類があります。これらのうちオロナイン軟膏が使用できるのは、切れ痔といぼ痔です。

前述のように切れ痔は、肛門の皮膚部分にできる裂け傷です。そのため切れ痔には、皮膚薬であるオロナイン軟膏を使うことができます。

またいぼ痔は、肛門組織がうっ血して腫れ上がることによって発症します。そして肛門内側にできるいぼ痔を内痔核、肛門外側にできるいぼ痔を外痔核と呼びます。

外痔核は肛門の外側にできるため、オロナイン軟膏を塗ることができます。

これに対して内痔核を発症した段階では、いぼ痔は肛門内に生じます。そのため初期のいぼ痔には、オロナイン軟膏を塗ることができません。

ただ内痔核が進行して大きくなると、肛門から飛び出すようになります。このような状態になった内痔核には、オロナイン軟膏を塗ることができます。

これに対してあな痔は、おしりの内部で化膿が起こることによって発症する病気です。

オロナイン軟膏には、化膿を改善する作用がありません。またあな痔の患部はおしりの奥深くであるため、オロナイン軟膏を塗ることは物理的に不可能です。このことからオロナイン軟膏は、あな痔には使えません。

ボラギノールとどちらの方が効くのか

痔の薬としてもっとも有名なのは、黄色いパッケージが特徴的なボラギノールです。

ボラギノールは1921年から販売されており、日本でもっとも古い痔の西洋薬です。そのため多くの実績があり、信頼できる痔の薬だといえます。

ただ痔を恥ずかしい病気であると感じている人は、ボラギノールを使うことに抵抗があること人が多いです。ボラギノールは誰もが知っている痔の薬であるため、「ボラギノールを使っている=痔である」ということが周囲にバレてしまうためです。

このときオロナイン軟膏には、殺菌したり保湿したりすることによって間接的に痔を改善しやすくする効果があります。そのためボラギノールを使いたくない人の中には、痔を改善するためにオロナイン軟膏を選ぶことがあります。

ただオロナイン軟膏とボラギノールでは、ボラギノールの方が痔の改善効果が高いです。これは、痔を直接的に改善する成分が配合されているためです。

例えばボラギノールに含まれているプレドニゾロンは、ステロイド成分の一種です。ステロイドは炎症を抑える作用が強い成分であり、痛みやかゆみなどを速やかに鎮めます。

またボラギノールには、局所麻酔成分であるリドカインも含まれています。そのためボラギノールを痔の患部に塗ると、痔の痛みやかゆみなどが緩和します。

さらにボラギノールには、アラントインやビタミンEなども配合されています。アラントインには組織を修復する作用があり、ビタミンEは血液循環を改善する成分です。これらの作用はどれも、痔を治しやすくします。

このようにボラギノールには、痔の症状を抑えたり痔を改善させやすくしたりする効果のある成分が多数配合されています。

またこれはボラギノールだけではなく、プリザやリシーナなどの痔の薬すべてに当てはまります。

そのためボラギノールを含め痔の専用薬は、間接的に痔を改善しやすくするオロナイン軟膏よりも痔に対する効果が高いです。

さらにオロナイン軟膏には、薬を指で塗るタイプのものしかありません。一方でボラギノールなどには、肛門の内部に使用できる設計のもの(坐剤・注入軟膏)があります。

そのため、肛門から脱出しない内痔核にも使用することができます。

このようなことから痔を治す効果の高い薬が欲しい場合は、オロナイン軟膏ではなくボラギノールなどの痔の薬を選ぶべきだといえます。

なおボラギノールなどの痔の市販薬には、あな痔を改善する効果がありません。またあな痔は手術が必要な病気です。そのためあな痔を生じた場合は薬を使わず、速やかに病院に行きましょう。

オロナイン軟膏を使うメリットとは?

通常、効果の強い薬は副作用が起こるリスクも高いです。薬の効き目の強いということは、体への作用そのものが強いということを意味します。そのため痛みなどを抑える効果が強いものは、その分だけ副作用が起こりやすかったり副作用が重症化したりしやすいです。

これは、痔の薬も例外ではありません。前述のようにボラギノールは、オロナイン軟膏よりも痔に対する効果が強いです。一方で、オロナイン軟膏よりも副作用を生じるリスクが高いというデメリットもあります。

例えばボラギノールに含まれているステロイド成分の抗炎症作用は、免疫を抑制するという側面もあります。

そのためステロイド成分を長期間使い続けると、免疫力が低下して細菌感染などが起こるリスクが高くなります。このことからボラギノールの添付文書では、10日以上連続して使用することを避けるように指示されています。

これに対してオロナイン軟膏は、患部を殺菌して保湿するだけの薬です。またオロナイン軟膏に含まれるクロルヘキシジンは、消毒スプレーにも含まれています。

このとき消毒スプレーやハンドクリームなどを毎日使っても、体に害が起こることはほとんどありません。これと同様に、オロナイン軟膏を連用しても副作用は生じにくいです。

また、15歳未満の子供はボラギノールを使用できません。一方でオロナイン軟膏は、赤ちゃんや幼児などにも使うことができる薬です。

赤ちゃんでも使えるということは、妊娠中・授乳中の女性も安心して使えるということを意味します。このようなことからオロナイン軟膏は、ボラギノールよりも安全性の高い薬であるといえます。

オロナイン軟膏で痔が悪化するのはなぜ?

オロナイン軟膏には体に備わっている自然治癒力を助ける作用があるものの、痔を治す直接的な成分は含まれていません。そのため痔を治すためには、痔の原因を排除する必要があります。

具体的にいうと痔は、便秘や下痢、血行不良などによって起こりやすくなります。そのためオロナイン軟膏で痔を治すためには、便秘・下痢を改善する必要があるのです。

例えば野菜や果物、水分などの摂取量が少ないと、便秘が起こりやすくなります。また脂っこいものやお酒などを摂りすぎると、下痢になりやすいです。

したがって痔を改善するためには、食生活を見直す必要があります。

また座りっぱなしなどによって肛門組織の血行が悪くなっていると、痔が起こりやすくなります。そのため痔を治すためには、こまめに動くように意識する必要があります。

これを言い換えると、このような「痔になりやすい生活」を送っていれば、オロナイン軟膏を使用しても痔が悪化します。このことからオロナイン軟膏を使っていても痔が悪化したのであれば、痔になりやすい生活が身についていることを疑う必要があります。

オロナイン軟膏の効果的な塗り方

前述のように、オロナイン軟膏には痔に直接効果のある成分は含まれていないものの、「痔が治りやすい環境」を作ることはできます。

またオロナイン軟膏の使い方を工夫することで、痔の痛みを軽減することもできます。そのため、オロナイン軟膏の効果的な使い方を知っておくことは大切です。

いぼ痔を押し込む潤滑剤にする

内痔核を生じる組織には痛覚がありません。そのため内痔核を発症した段階では、痛みを感じることはありません。

ただ内痔核が進行して肛門から脱出(脱肛)するようになると、いぼ痔が痛覚のある部分に触れるようになります。そのためこの段階での内痔核では、痛みを伴うようになります。

このとき脱肛した内痔核を肛門内に押し戻すと、いぼ痔が痛覚のある部分に触れなくなります。その結果、痛みを感じなくなります。そのため内痔核が脱肛したら、なるべく肛門内に押し戻すことが推奨されます。

ただ内痔核を無理やり肛門内に押し込むと、痛覚のある部分が刺激されて強い痛みが起こることがあります。また、肛門皮膚が傷ついて切れ痔を併発することもあります。そのため内痔核を肛門内に押し込む際には、潤滑剤を使うことが大切です。

このときオロナイン軟膏を潤滑剤として使うと、脱肛した内痔核をスムーズに戻しやすくなります。その結果、押し戻す際の痛みや切れ痔などが起こりにくくなります。

さらに脱肛が起こる際には、内痔核が肛門皮膚を擦ります。このとき皮膚の状態が悪いと、内痔核によって肛門皮膚が裂けてしまうことがあります。

このときオロナイン軟膏によって肛門皮膚が保湿されていると、皮膚の弾力性が保たれて裂けにくくなります。このことからオロナイン軟膏を脱肛した内痔核に使用すると、いぼ痔に伴う切れ痔を防ぎやすくなるといえます。

そして一番小さいサイズのオロナイン軟膏は、8cm未満のチューブタイプです。このタイプはポケットの中に入れられるため、持ち運びしやすいです。そのためチューブタイプのオロナイン軟膏を使うと、外出先でも簡単に脱肛した内痔核を押し込むことができます。

切れ痔の傷口を覆う

切れ痔による痛みは、排便のときに強くなります。これは、排便の際に肛門が押し広げられるためです。また、切れ痔部分に便が触れることによる痛みも起こります。

このような中、切れ痔部分にオロナイン軟膏を塗っておくと、切れ痔部分に便が触れにくくなります。

またオロナイン軟膏の保湿効果によって、排便時に肛門が押し広げられても肛門皮膚の傷口が広がりにくくなります。そのためオロナイン軟膏の使い方を工夫すると、切れ痔の痛みを軽減することができるのです。

切れ痔にオロナイン軟膏を使用する際には、傷口をしっかり覆うようにたっぷり塗ることが大切です。そうすることで傷に便が触れにくくなり、切れ痔による痛みが起こりにくくなります。

このときオロナイン軟膏は、安価で購入することができます。そのため傷口にたっぷり塗っても、経済的な負担になりにくいです。この点も、痔にオロナイン軟膏を使用するメリットであるといえます。

まとめ

傷薬であるオロナイン軟膏の効能には、痔が含まれていません。ただ過去には、「オロナイン軟膏は痔に効く」というTVCMが放映されていました。このことからオロナイン軟膏には、痔を改善させるための一定の効果があるといえます。

しかしながら痔専用の薬であるボラギノールに比べると、痔を治す効果は弱いです。そのため痔に効く薬が欲しい場合は、オロナイン軟膏ではなく痔疾患用薬を選ぶべきだといえます。

一方でオロナイン軟膏は、子供でも使える安全性の高い薬です。また使い方によっては、オロナイン軟膏でも痔の症状を軽減することができます。

そのためオロナイン軟膏を痔に使用したいのであれば、これまでに述べた情報を参考にして使い方を工夫したり生活習慣を見直したりしましょう。そうすることで、オロナイン軟膏でも痔を改善することができます。


痔であると、トイレの中を血まみれにするだけでなく、座ったときに異常な痛みが起こる人も多いです。トイレのとき、その痛みから私もトイレに行くのが毎日怖いときがありました。

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痔の悩みは周りに相談しにくいです。だからこそ、医薬品を活用して本気で症状を治し、元気な日常生活を取り戻そうとする人は多いです。

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