オリーブオイルは食用だけではなく、皮膚に用いられることも多い油です。

例えばオイルクレンジング剤や美容オイルなどには、オリーブオイルを基剤としたものが数多くあります。中には、美容オイルとしてオリーブオイルそのものが売られていることもあります。

このとき痔を発症している人の中には、「肌用のオリーブオイルを塗ったら痔が治った」という人がいます。

ただ皮膚用に販売されているオリーブオイルのパッケージや紹介文などには、保湿効果や皮膚の保護効果などの記載があります。一方で「痔を改善する」としているオリーブオイル製品はありません。

では、オリーブオイルには痔を治す効果があるのでしょうか? またオリーブオイルを痔の患部に塗る際には、どのような点に注意すればいいのでしょうか?

そこでここでは肌用のオリーブオイルの効果と使い方について解説していきます。

オリーブオイルを塗ることで痔の症状は改善するのか?

オリーブオイルはオリーブの実を絞ることによって得られる油です。食用のオリーブオイルにはエクストラバージンオイルなどの絞ったままの油があります。

一方で皮膚用のオリーブオイルは、オリーブを絞って得た油を精製した状態のものです。そのため皮膚用のオリーブオイルは食用に比べて、風味や色味などが薄めとなっています。

オリーブオイルは薬の代用品になるのか?

痔の治療薬の中でも、ボラギノールは日本でもっとも有名な痔の薬です。

ボラギノールには、炎症を直接的に抑えるステロイド成分や局所麻酔成分などが含まれます。そのためボラギノールを使用すると、痔の痛みやかゆみなどが軽減しやすくなります。

一方でオリーブオイルには、このような薬の成分が含まれていません。したがってオリーブオイルを痔の患部に塗っても、痛みの改善効果は現れません。

このときボラギノールには、ビタミンE酢酸エステルという成分が配合されています。これは末梢血管の血行を促進して、痔を改善する効果のある成分です。

そしてオリーブオイルにも、天然のビタミンEが含まれています。このようなことから、オリーブオイルには痛みなどを抑える効果はないものの、痔を治す効果はあると思う人がいます。

ただボラギノールに含まれているビタミンEの量は、薬剤1gあたり25mgです。これに対して食用のオリーブオイルに含まれるビタミンEは、オイル1gあたり0.14mg程度です。

さらに皮膚用のオリーブオイルは、精製されています。オリーブオイルが精製される際には、オイル成分以外のものが不純物として取り除かれます。つまり皮膚用のオリーブオイルは、食用よりもビタミンEの含有量が少ないのです。

さらに、ボラギノールに含まれるビタミンEは「患部で効果を発揮しやすい形」に加工されたものであり、安定した性質をもちます。

これに対してオリーブオイルに含まれるビタミンEは、植物に含まれている天然の状態のものです。したがって、オリーブオイルに含まれるビタミンEが痔を改善する保障はありません。

このことからオリーブオイルには、痔を直接的に改善する効果がほとんどないといえます。

痔に塗る場合のオリーブオイルの使い方

前述のようにオリーブオイルには、痔を治す直接的な効果はありません。そのため痔を治したいのであれば、痔の薬を使うのが効果的といえます。

ただ中には、薬を使わずに自然治癒力で痔を治したい人もいるでしょう。このときオリーブオイルには、自然治癒力で痔が治るのを助ける働きが期待できます。そのため薬なしで痔を治すことにこだわりたい場合は、オリーブオイルは有用といえます。

また妊婦が使用した薬は、おなかの赤ちゃんに影響を及ぼします。しかしオリーブオイルは薬ではないため、妊婦でも安心して使えるというメリットがあります。

なお自然治癒力で痔を治すためには、痔の原因となっている生活習慣を改める必要があります。そのためオリーブオイルを使いながら痔を治したいのであれば、食生活の内容などを見直すことを最優先に考えましょう。

脱出した内痔核(いぼ痔)を押し込むときにオリーブオイルを使う

痔の代表的なものにいぼ痔(痔核)があります。またこれらのうちいぼ痔は、内痔核と外痔核に分類されます。

内痔核は肛門の内側にできる痔です。内痔核を生じる組織には痛覚がありません。そのため内痔核ができた段階では、痛みが起こりません。

ただ内痔核が進行して大きくなると、肛門から脱出するようになります。このような症状を脱肛(だっこう)といいます。内痔核が脱肛するようになると、痛覚のある肛門外側部分に触れるようになります。そのためこの段階での内痔核には、痛みを伴います。

このような内痔核の痛みは、脱肛したいぼ痔を肛門内に押し戻すことによって軽減します。そのため脱肛が起こったら、なるべく肛門内に押し戻すことが大切です。

ただ脱肛したいぼ痔を無理やり押し込もうとすると、痛覚のある部分が擦れて痛みが起こりやすくなります。また、摩擦によって切れ痔を発症することもあります。

このとき脱肛したいぼ痔にたっぷりとオリーブオイルを塗ってから肛門へ押し戻すと、オリーブオイルが潤滑油の役割を果たして摩擦が軽減します。その結果、押し込む際の痛みや切れ痔などが起こりにくくなります。

オリーブオイルで切れ痔を覆う

切れ痔は肛門皮膚部分にできる裂け傷です。そのため切れ痔に便などが触れると、傷に触れたときのような痛みが起こります。

特に、肛門組織は神経が多く通っている部分です。そのため切れ痔による痛みは、手足などにできた傷よりも強いことが多いです。

このとき手足などに傷ができた場合、傷薬の軟膏やクリームなどを塗ることがあります。傷口を油脂で覆うと、水などがしみにくくなって痛みが起こりにくくなるためです。また傷口が油脂で守られると、細菌などの病原体が侵入しにくくなります。

これと同様に切れ痔も、油脂で覆うことによって痛みや痔の悪化などを防ぐことができます。そのため切れ痔部分にオリーブオイルを塗ると、痛みなどが軽減しやすくなることが期待できます。

痔に塗るオリーブオイルの選び方とは

一般的に手に入るオリーブオイルは、大きく分けて食用と肌用、医薬品の3種類があります。このとき一般的に、「食べて問題がないものは、肌に塗っても問題ない」と思われがちです。

ただこれらのオリーブオイルはそれぞれ、用途に適した状態になっています。そのため痔に塗るオリーブオイルは、適切なものを選ぶことが大切です。

食用のものを選んではいけない

食用のオリーブオイルは精製されていません。特に処理されておらず、絞った状態で売られています。

特にエクストラバージンオイルは、オリーブオイルの実を絞って得た油そのものです。そのため食用のオリーブオイルには、オリーブの実がもつさまざまな成分が含まれたままの状態になっています。

このとき口から摂取したオリーブオイルは、消化器官を通過する過程で吸収されていきます。

消化器官は、体に必要なもの(栄養)とそうでないもの(便となるもの)の取捨選択ができる器官です。そのためオリーブオイルに含まれるさまざまな成分が消化器官に入っても、問題なく処理することができます。

一方で肌は、消化・吸収するための組織ではありません。そのため肌に不要な物質が入り込むと、それが刺激となってかゆみなどが起こりやすくなります。

このとき皮膚には、皮脂が存在しています。皮脂は外部から刺激を防ぐためのセーフティネットです。

ただオリーブオイルは油であるため、皮脂に溶けることができます。そのため肌に塗ったオリーブオイルの成分は、皮脂を通り抜けて皮膚に浸透していきます。その結果、かゆみなどの症状が起こりやすくなるのです。

このようなことから食用として販売されているオリーブオイルは、肌に塗らないようにすることが大切です。

医薬品のものが安心

肌に塗れるオリーブオイルは、化粧品(肌用)と医薬品の2種類があります。

化粧品のオリーブオイルはドラッグストアなどの化粧品取扱店で購入することができます。これらは、美容オイルや化粧用オイルなどとして販売されていることが多いです。

一方で医薬品のオリーブオイルは、「オリブ油」という名称で薬店で販売されています。

このとき医薬品を製造販売するためには、安全性に関する厳格な条件を満たす必要があります。そのため医薬品として販売されているオリーブオイルは安全性が高く、皮膚に塗った際にトラブルを起こすリスクがかなり低いです。

実際に医薬品のオリーブオイルは、油としての純度が高いです。その証拠に、オリーブオイル特有の香りや味、色などがかなり薄くなっており、一般的な油のニオイを呈しています。

左が食用のオリーブオイルであり、右が医薬品のオリーブオイル。

このとき痔の患部である肛門は、敏感な組織です。そのため痔の患部に使用するのであれば、不純物の少ない医薬品のオリーブオイルが安心です。

なお、オリーブオイルは痔を治す直接的な効果がない一方で、体への負担が少ない油です。そのため手元に美容用のオリーブオイルしかない場合は、これを使っても問題はありません。しかし、使用した際にかゆみなどの異常が出た場合は、使用を中止して患部を洗い流しましょう。

まとめ

オリーブオイルには食用の他に、皮膚用のものもあります。そのためオリーブオイルは食べるだけではなく、痔の患部に使うこともできます。

ただ皮膚用のオリーブオイルには、痔を直接的に改善する成分が含まれていません。そのため痔の薬のような「痔を治す効果」はありません。

しかしながら皮膚用のオリーブオイルを、脱肛したいぼ痔を押し込む際の潤滑剤や切れ痔の保護材などとして使うことはできます。そのため薬を使わずに痔を治したいという人は、皮膚用のオリーブオイルを選ぶという手段があります。

このとき食用のオリーブオイルを皮膚に使うと、かゆみや赤みなどの原因となります。そのため皮膚にオリーブオイルを用いる場合は、医薬品や化粧品などの皮膚専用のものを選びましょう。そうすることでトラブルが起こる心配がなくなり、安心して痔に塗ることができます。


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