いぼ痔を経験したことがある人は、「どのような症状をいぼ痔というか」を知っています。
一方で、いぼ痔を経験したことがない人は、「いぼ痔とはどのようなものなのか」を知りません。そのため、いぼ痔を初体験している人は、「これがいぼ痔がどうかわからない」という人が多いです。
一般的に「いぼ」というと、「皮膚が固く盛り上がった状態」を指すことが多いです。そのため、「いぼ痔=おしりの穴付近に硬い出来物ができる病気」と思っている人がいます。
ただ、いぼ痔では、肛門付近に「ぷにぷにと柔らかい出来物」が生じます。そのため、このような出来物が現れている人は、いぼ痔であることを疑う必要があります。
そして、いぼ痔は生活の質を大きく下げる危険性を持つ病気です。そのため、「いぼ痔かも?」と思ったのであれば、なるべく早く対処する必要があります。
では、いぼ痔とはどのような病気なのでしょうか? また、いぼ痔が生じたらどのように対処すればいいのでしょうか? そこで、ここではいぼ痔(痔核)の種類や治療方法などについて解説し、痔核かもしれないと思ったら何をするべきかを述べていきます。
もくじ
いぼ痔とは何か?
「痔」とは肛門に起こる病気の総称です。そのため、肛門が腫れたり肛門から出血が生じたりすれば、「痔を発症した」ということになります。
痔には、大きく分けると「いぼを生じるタイプ」「裂傷を生じるタイプ」「膿が溜まるタイプ」の3種類があります。そして、これらのうち「いぼを生じた痔=いぼ痔」の正式名称が痔核(じかく)です。
痔核を経験していない人は、「いぼ痔」という名称のイメージから、「お尻に硬いできものができること」と思っていることがあります。
ただ実際には、痔核のいぼは柔らかく、ぷにぷにとした触感になっています。そのため、肛門付近にできた「いぼ」を初めて経験した際には、「痔である」と自覚しない人が多いです。
痔核ができるメカニズム
通常わたしたちの肛門は、意識しなくても閉じられています。これは、「肛門括約筋」の働きによるものです。
また肛門には、2つの「肛門クッション」という組織があります。肛門クッションとは、水道や水筒などに使用されているパッキンと同様の働きを担っている組織のことです。
パッキンのない水道・水筒が水漏れを起こすのと同様に、肛門クッションがなければ肛門をしっかり締めることはできません。このようなことから、肛門クッションは便漏れを防ぐという大切な役割を担っていることがわかります。
肛門クッションにはたくさんの血管が集まっており、多くの血液が流れています。これによって肛門クッションは柔らかさを保ち、パッキンの役割を果たすことができます。
ただこのとき、肛門クッションに流れ込む血液の量が多くなりすぎると、肛門クッションが血液によって腫れ上がることがあります。これが痔核(じかく)です。
痔核を生じると、違和感を覚えたりいぼが邪魔になって排便しづらくなったりします。また、痔核が排便時に擦れると、痔核から出血が起こることもあります。
通常、軽度の痔核であれば生活習慣などを改めることによって症状が改善します。ただ、痔核が悪化すると、手術なしでは元に戻らないこともあります。
痔核の種類
痔核とは肛門クッションが腫れ上がって「いぼ」ができる病気です。
肛門クッションは、直腸側と肛門側の2箇所にあります。これらのうち、直腸側のクッションにいぼが生じる病気を内痔核と呼びます。これに対して、肛門側のクッションが腫れると外痔核となります。
このとき、内痔核の悪化によって生じた外痔核は「内外痔核」といいます。一方で、外痔核のみが生じることを「血栓性外痔核」と呼びます。
そして、痔核が悪化して肛門から飛び出るようになると、肛門括約筋によって痔核が締め付けられます。すると、急激にうっ血が起こって痔核が大きく腫れ上がることがあります。このようにして生じた痔核が嵌頓痔核(かんとんじかく)です。
いぼ痔の症状
一般的に、「痔は痛いものである」と思われています。
ただ実際には、すべての痔に痛みが伴うわけではありません。そのため、「痔=痛い病気」と思い込んでいると、痔核の発覚が遅れて痔核が悪化する危険性があります。
以下のような症状が出ているのであれば、いぼ痔を疑う必要があります。
痛くないが、柔らかいいぼが肛門から出てきている
内痔核が生じる組織には、痛覚がありません。そのため、内痔核が発症しても痛みを感じることはありません。
内痔核のサイズが大きくなってくると、排便時に肛門から飛び出してくるようになります。また、内痔核がさらに進行すると、肛門から内痔核が飛び出したままの状態となります。
そのため、痛みが生じてなくても、肛門から柔らかいいぼが出てきているのであれば内痔核を発症していることになります。
血便を生じている
血便になる原因は痔だけではありません。そのため、血便を生じているからといって、必ずしも痔であるとは限りません。
ただ、痔核の表面はもろく切れやすい状態となっています。そのため、排便時などに痔核が擦れると容易に出血します。
このようなことから、痔核を発症していると排便時に出血を伴うことがあります。そのため、いぼ痔での他の症状(柔らかいぷにぷにが出ているなど)に加えて、血便も生じているのであれば、いぼ痔である可能性がかなり高いです。
残便感がある
内痔核が大きくなってくると、肛門の内側に異物が常に存在していることになります。そのため、排便を行っても「まだ便が出きっていないような感覚=残便感」を生じるようになってきます。
残便感は、便秘やポリープなどの他の病気でも発生します。そのため、「残便感がある=痔核を発症している」ということではありません。
ただ、残便感だけではなく、ぷにぷにしたいぼや血便、肛門の痛みなども生じているのであれば、痔核である可能性が高いです。これら複数の症状が出ている場合は、痔核対策の実施をおすすめします。
痛くないいぼ痔を放置すると痛みが出てくる
肛門の内側には痛覚がない一方で、肛門付近に組織には痛覚があります。そのため、内痔核の初期では痛みが生じないものの、内痔核が進行して肛門から飛び出るようになると痛みを感じるようになっていきます。
また、外痔核は痛覚のある組織に生じる痔核であるため、発症初期から強い痛みが生じます。さらに、外痔核は肛門付近にできるため、座ったり立ったりなどの日常動作に痛みが伴うようになっていきます。
症状が進行して嵌頓痔核(かんとんじかく)になると、日常生活が困難になるほどの強い痛みが生じます。
多くの場合、外痔核や嵌頓痔核などは内痔核が悪化することによって生じます。そのため、内痔核を放置すると、通常の生活が送れない状況になる危険性があるといえます。
痔核ができる原因とは?
一般的には、「痔核」という正式名称よりも、「いぼ痔」の方が馴染みのある呼び方となっています。
このとき、いぼ痔という呼び名の由来である「いぼ」は、誰もが経験する症状ではありません。実際に、いぼは高齢になると発生しやすい症状であるものの、若い人でいぼを経験している人はそう多くありません。
そのため、いぼ痔もいぼと同様に、「一部の人がかかる特別な病気」と捉えられていることが少なくありません。
ただ、いぼ痔は現代の日本人であれば誰でも発症するリスクのある病気です。これは、痔核は「現代的な生活習慣」が原因で発症しやすくなる病気であるためです。
痔は人間特有の病気
わたしたちは、2本の足で歩き行動しています。このような「二足歩行」を行う動物には、ダチョウやペンギンなどの動物類にも存在しています。
ただ、人間はこれら動物と異なり、「頭から足まで」が地面に対して垂直です。そのため、人間の二足歩行は他の二足歩行とは区別され、「直立二足歩行」と呼ばれています。
このような直立二足歩行には、さまざまなメリットがあります。例えば、二足歩行では腕を歩行に使用しないため、手を自由に使うことができます。
ただ、直立二足歩行になると、重力によって下半身に血液が溜まりやすくなります。特に、「体の底」である骨盤や下肢などは血液が流れ込みやすい上に、血液が心臓に戻りにくいです。そのため、これら組織の血管は「うっ血を起こしやすい」というデメリットがあります。
痔核は肛門クッションがうっ血を起こすことによって発症する病気です。そのため、直立二足歩行は「痔核を起こしやすくする歩行方法である」ということがわかります。
実際に、四足歩行の動物に痔核が発症することはほとんどありません。このようなことから痔核は、人間が人間らしい生活を行う以上、切り離せない病気であるということがわかります。
さらに、多くの場合動物は、便意が生じたらすぐに排便することができます。これに対して人間は、「いつでも排便が可能な状態」であることがまれです。そのため、人間は他の動物よりも、排便をコントロールする能力に長けています。
実際に、仕事や勉強などによって排便を長時間我慢することは珍しくありません。
ただ、このようにして排便を我慢すると、肛門に強い負担がかかるようになります。そのため、排便をコントロールする人間特有の能力は、痔を発症させやすくするともいえます。
また、排便を我慢しすぎると、便意を感じにくくなり便秘が生じやすくなります。便秘は痔核を発症させ、悪化させやすくする症状の1つなのです。
便秘・下痢は痔核の大敵
下痢などの場合を除き、排便は腹部に力を込めることによって行われます。通常このようにしていきむと、血圧が上がって血液が流れる勢いが増します。
特に、肛門付近の血流はかなり激しくなり、肛門の血管には「脳内の血管であれば破裂するほどの圧力」がかかります。そのため、排便の際には、肛門クッションに多くの血液が集まることになります。
このとき、肛門の血圧はいきむ力が強いほど高くなります。そのため、排便時に強くいきんだり、いきむ時間が長かったりすると、肛門クッションが腫れて痔核を生じやすくなります。
このような中、便秘になると腸内に便が長く留まることになります。そうすると腸が便の水分を吸収するため、便の水分量が減少していきます。
便の水分量が少なくなると、便は硬くなって肛門を通りにくくなります。すると、強くいきまなければ排便できなくなったり、いきむ時間が長くなったりしやすくなります。そのため便秘になると、痔核を生じやすくなります。
また、痔核の原因になるのは便秘だけではありません。便秘とは正反対の症状に見える下痢も、痔核の原因となります。
下痢によって何度も排便をしていると、その分だけいきむ回数が多くなります。すると、肛門に血液が溜まりやすくなるため、痔核が生じやすくなるのです。
このように、排便にトラブルがあると痔核が生じやすくなります。そのため、便秘や下痢などが起こる機会が多い人は、痔核の発症リスクが高いといえます。
血行不良も痔核の原因となる
人間の体は肛門付近に血液が流れ込みやすい性質を持っています。
ただ、肛門クッションに流れ込んだ血液は、静脈の血管を通って心臓へと戻されます。そのため、血液がうまく循環できれば、「肛門クッションが腫れる=痔核」が生じることはありません。
このとき、血液が上手く戻れないと、肛門クッションに血液が留まることになります。そのため、肛門付近の血行が悪くなっていると、痔核を生じやすくなります。
また、血管は全身で「輪」の状態になっています。そのため、全身の血行が悪くなると、肛門付近の血行も悪くなります。このようなことから、体の血行不良は痔の原因になるということがわかります。
そして多くの場合、痔の原因となる血行不良は生活習慣によって生じます。
例えば、同じ姿勢を長時間続けると、一箇所に血液が溜まりやすくなります。そのため、座りっぱなしや立ちっぱなしなどの仕事に就いている人は、体をよく動かす仕事をしている人に比べて痔核が発症しやすいです。
また、運動量が不足していると、血液の巡りが悪くなります。これは、運動不足になると「血液を流す」という役割を持っている筋肉を動かさなくなるためです。
さらに、肥満になっていると、肛門付近の血管が脂肪に圧迫されて血行が悪くなります。その結果、血行不良による痔核を生じやすくなります。
特別な場合を除き、肥満は運動不足や食べ過ぎなどの生活習慣によって起こる状態です。このようなことから、運動不足になっていたり食事バランスが悪かったりする人は、痔核になりやすいということがわかります。
また、肥満の場合と同様に、妊娠中には大きくなった子宮が肛門付近の血管を圧迫するため血行不良が起こります。
当然のことながら、妊娠は「生活習慣による不健康な状態」ではありません。しかし、妊娠中に血行が悪くなりやすい生活を送ると、痔核の発症リスクがかなり高くなります。そのため、妊娠中は特に「痔核になりにくい生活」を心がける必要があります。
痔核になりやすいスポーツがある?
ただ、スポーツの中には、痔核対策になるどころか「痔核の原因になるもの」があります。
例えば、ゴルフでボールを打つ際には、おしりに力が入ります。また、乗馬やサイクリングなども、おしりに力を入れて体を支えます。そのため、これらスポーツを行うと、肛門付近にうっ血が起こって痔核が発症しやすくなります。
実際に、フランス革命における中心人物であるナポレオンは、長時間の乗馬が原因で痔を発症していたとされています。それが原因で最後の戦争に敗れたとまでいわれています。
また、野球のキャッチャーやサッカーのゴールキーパーなどは、かがんだ姿勢になっていることが多いです。
このような姿勢では、排便時のポーズと同様に肛門へ強い負荷がかかります。そのため、キャッチャーやゴールキーパーなどをしている人は、そうでない人に比べて痔核の発症リスクが高いといわれています。
さらに、おしりはもともと、体の中でも冷えやすい部位です。そのため、スキーやスケートなどの「寒い環境下で行うスポーツ」を行うと、おしりがかなり冷えやすくなります。
ただ、このようにしておしりが冷えると、肛門付近の血流が悪くなります。そのため、スキー・スケートなどのウィンタースポーツも、痔核の発症リスクを上げるといえます。
そして、スポーツではありませんが、釣りも痔核を悪化させる趣味の1つです。釣りをすると、痔核の原因である「長時間座りっぱなし・立ちっぱなし」となります。
さらに、暑い季節を除き、コンクリートは体温よりも低い温度となっています。そのため、釣りのために冷たいコンクリート壁などへ長時間座ると、おしりが冷えて痔核が発症しやすい状態となります。
このように、一般的には「体にいい」とされているスポーツであっても、種類によっては痔核の原因となるものがあります。そのため、ここで述べたようなスポーツを行っている人は、痔核の発症リスクが高いことを認識しておく必要があります。
「痔核かも?」と思ったらするべきこと
これまでに、痔核の種類や症状などについて述べてきました。そのため、現在痔核を発症している人は、「自分は痔核かもしれない」と思っていることでしょう。
痔核は病院で治療することのできる病気です。そのため、痔核によって生活に支障が出ているのであれば、病院にかかって治療を受ける必要があります。
ただ、「痔核かもしれない」と思っているのであれば、病院に行く前にするべきことがあります。病気を治すのは医者ではなく、自分自身の行動であるためです。
生活習慣を見直す
痔核は、自然に治癒する病気の1つです。そのため、軽度な痔核であれば、必ずしも病院に行く必要はありません。
ただ、痔核は「放置することによって治る病気」でもありません。そのため、軽度の痔核であっても、「痔核になりやすい生活」を改めなければ痔核が悪化するケースがあります。
また、いくら病院で痔核を治療しても、「痔核になりやすい生活」を続けていれば、痔核が治らなかったり再発したりすることになります。このようなことから、「痔核かも?」と思ったら生活習慣を見直すことが大切であるといえます。
例えば、便秘が痔核の原因になるということはすでに述べたとおりです。そして、便秘は食事の内容や生活リズムなどによって起こる症状です。そのため、痔核を直したいのであれば、食事内容や生活習慣などを見直す必要があります。
また、運動不足の自覚がある人は、これによって痔核を生じている可能性があります。そのため、このような人は運動量を増やす意識を持つ必要があるといえます。
このようなことから、「痔核かも?」と思ったのであれば、まずは生活習慣を改めることから始めましょう。そうすることによって痔核が治りやすくなり、再発もしにくくなります。
痔であると、トイレの中を血まみれにするだけでなく、座ったときに異常な痛みが起こる人も多いです。トイレのとき、その痛みから私もトイレに行くのが毎日怖いときがありました。
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痔の悩みは周りに相談しにくいです。だからこそ、医薬品を活用して本気で症状を治し、元気な日常生活を取り戻そうとする人は多いです。
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