基本的に痔には、痛みや出血などの症状を伴います。また中には、患部が熱をもつ感覚(熱感)が起こることもあります。

患部に熱感が起こると、じりじりと焼かれているような不快感を覚えます。そのため痔の患部が熱くなると、仕事などに集中できなくなったり寝付きにくくなったりします。そのため熱感が起こったら、症状を緩和したいと思うことでしょう。

ただ熱感の原因によって、対処法が異なります。そのため痔による熱感を改善したいのであれば、原因となっている痔を特定することが大切です。

そこでここでは熱感を伴う痔について解説し、その対処法について述べていきます。

熱をもつ痔の種類と見分け方

皮膚などに熱感が起こると、「病気が悪化・重篤化しているのではないか」と不安になる人はかなり多いです。皮膚が熱いというのは、自覚しやすい異常事態であるためです。

ただ熱感は、体が自分を守ったり治したりする際に起こる現象です。

怪我などによって組織が損傷すると、これを治すために「患部を治す細胞」が傷を負った場所に集まってきます。このとき細胞が集まって来やすいように、患部周辺の血管が広がって血流が増えます。このような現象を炎症といいます。

流れ込む血液の量が多くなると、その分だけ患部が熱くなりやすいです。したがって炎症が起こると、患部に熱感を覚えることが多いです。

またこれと同様に皮膚に細菌などが感染すると、病原体を排除するために「病原体を排除する細胞」が集まってきます。この場合も患部に炎症が起こり、血流が増加して熱感が起こります。

このようなことから患部の熱感は、体を守るための機能によって起こっていることがわかります。したがって「患部の熱感=重篤な病気である」とは限らないのです。

いぼ痔が熱をもつケース

いぼ痔(痔核)とは肛門組織がうっ血して腫れ上がり、イボ状の出来物を形成する病気です。いぼ痔には肛門内側にできる内痔核と、肛門外側にできる外痔核の2種類があります。

これらのうち外痔核ができる部分には、痛みを感じる神経が集まっています。そのため、外痔核には動けなくなるほどの痛みを伴います。

一方で内痔核は、痛覚のない組織に生じます。そのため内痔核ができても、痛みが起こることはありません。ただ内痔核が進行すると、肛門から脱出(脱肛)するようになります。以下は内痔核の進行度合いの図です。

脱肛するといぼ痔が痛覚のある部分と擦れるようになるため、痛みが起こるようになります。そのため肛門部分に痛みがあり、ぷにぷに・コリコリとした出来物ができている場合は、進行した内痔核または外痔核ができていることになります。

このとき痛みが起こるということは、患部に炎症が起こっていることを意味します。痔の痛みは、患部が炎症することによって引き起こされるためです。そのため進行した内痔核や外痔核などを生じている場合、患部に熱感が起こることがあります。

ただ、いぼ痔による熱感はそれほど強くないことが多いです。実際にいぼ痔を発症しても、熱感を覚えない人が多いです。これは、いぼ痔が徐々に進行していく病気であるためです。

患部の炎症による熱感は、炎症が急激であるほど強くなります。そのため病気の進行スピードが遅い病気であるいぼ痔では、急性炎症が起こることはほとんどありません。したがって基本的には、いぼ痔によって強い熱感が起こることはないといえます。

ただ例外的に、脱肛した内痔核が肛門に締め付けられることによって起こる嵌頓痔核は、症状が急激に進んでいきます。以下は、嵌頓痔核の発症メカニズムの図です。

嵌頓痔核では、もともとの内痔核組織が痛みを感じる組織を巻き込んで急激に腫れ上がります。そのため内痔核が嵌頓痔核に発展した場合、激しい痛みとともに強い熱感を覚える可能性があります。

切れ痔が熱をもつケース

切れ痔(裂肛)とは、肛門皮膚にできる裂け傷であり怪我のようなものです。前述のように怪我をすると、患部に炎症が起こります。

ただこのとき、手足に擦り傷によって痛みを感じても、熱感を覚えることはほとんどないでしょう。小さな傷によって生じる炎症は、熱感が起こるほど強くないためです。

しかしながら傷の状態が悪いと、その分だけ炎症が強くなります。そのため切れ痔の傷が深いと、炎症が悪化して熱感が起こりやすくなります。

したがって切れ痔が悪化すると、熱感を伴うことがあります。具体的には切れ痔が深くなって潰瘍(かいよう)に発展した場合、熱感が起こりやすくなります。

基本的に切れ痔では、排便時に鋭い痛みが起こります。

一方で潰瘍化した切れ痔では、排便時に痛みが起こら無いことが多いです。ただ排便後しばらくしてから、焼けるような痛みが起こります。そのため肛門の熱感にこのような痛みを伴う場合は、重症化した切れ痔を生じている可能性があります。

ただ、切れ痔の症状にじりじりとした強い熱感を伴っている場合は注意が必要です。これは、患部に細菌感染が起こっている可能性が高いためです。

強い熱感の原因とは?

肛門周辺にヒーターなどで焼かれているような強い熱感が起こっている場合、肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)を疑う必要があります。肛門周囲膿瘍とは、おしりの内部に細菌感染が起こって膿が溜まる病気です。

多くの場合、肛門周囲膿瘍は直腸と肛門の間に存在している穴(肛門腺窩)に便が入り込むことによって発症します。ただ中には、切れ痔の傷部分に便が入り込むことによって発症するケースもあります。

肛門腺窩や切れ痔の傷口などに便が入り込むと、便に含まれている細菌が組織で増殖することがあります。以下の図の原発巣とは、細菌が増殖している患部のことです。

このようにしておしり内部に細菌感染が起こると、原因菌を排除するために免疫細胞が集まります。このとき、患部には炎症が起こります。そのためおしりの内部に感染症が起こると、痛みや熱感などが起こります。

また免疫細胞と細菌が戦うと、たくさんの死骸が発生して膿を形成します。そのため肛門周囲膿瘍を発症すると、おしり内部に膿が溜まっていきます。

このような膿は、炎症を悪化させる原因となります。そのため患部に膿が溜まると、炎症が激化して痛みや熱感などがかなり強くなります。このことから肛門周辺に強い熱感がある場合は、肛門周囲膿瘍を発症している可能性が非常に高いです。

ただ肛門周囲膿瘍がおしりの奥で起こると、痛みや熱感などを感じにくくなります。この場合は、おしりの奥の方に腹痛や腰痛などに似た鈍痛が起こることが多いです。そのため熱感が弱い場合であっても、このような症状を伴っているのであれば肛門周囲膿瘍を疑う必要があります。

このとき、肛門周囲膿瘍の約半分はあな痔に発展します。つまり肛門周囲膿瘍は、あな痔の前段階の病気なのです。

そして、あな痔は手術しなければ治りません。また最悪の場合、がんにつながることもあります。したがって肛門周囲膿瘍が疑われたら、早急に治療することが大切です

熱をもつ痔に使用できる市販薬とは?

前述のように痔の患部に起こる熱感は、体を治したり守ったりするために起こる現象です。そのため熱感が起こっても、熱感そのものを抑え込む必要はありません。

ただ中には、熱感が気になって作業が手につかなくなったり眠れなくなったりする人もいます。そのため熱感によって日常生活に支障が出ているのであれば、薬で症状を緩和することが好ましいです。

なお、肛門周囲膿瘍に使用できる市販薬はありません。そのため肛門周囲膿瘍を発症したら、市販薬でなんとかしようとせずに病院を受診しましょう。

いぼ痔・切れ痔に使える塗り薬

ボラギノールなどの痔の塗り薬(外用薬)には、炎症を鎮める成分が配合されています。炎症が抑えられると、その分だけ熱感が改善します。したがっていぼ痔や切れ痔などによる熱感が気になる場合は、痔の塗り薬を使用することをおすすめします。

痔の塗り薬には、大きく分けてステロイド入りとステロイドなしの2種類があります。

ステロイドとは炎症を鎮める効果の高い成分です。そのためステロイド入りの塗り薬を使うと、より熱感が抑えられやすくなります。したがって痔による患部の熱感をつらく感じる場合は、ステロイドが配合されている薬を選ぶことをおすすめします。

ただこのとき、ステロイド入りの痔の塗り薬の中にはメントールが配合されているものもあります。メントールはリップクリームなどにも含まれており、清涼感を起こす作用のある成分です。

一見、熱感が起こっている部分に清涼感を与えると症状が鎮まりそうに思えます。ただ実際には、メントールは患部の熱感を悪化させます。これはメントールが、熱感の原因となっている現象を促進させるためです。

具体的にいうと、メントールには皮膚表面の血管を拡張させて血流を増やす作用があります。前述のように痔による熱感は、患部の血管が拡張して血流が増えることによって起こります。つまり、熱感の原因となっている現象とメントールの作用は同じなのです。

そのため熱感が起こっている部分にメントール入りのものを使用すると、熱感が悪化したりピリピリとした痛みが起こったりしやすくなります。したがって熱感を改善するために痔の塗り薬を使用する場合は、メントールが配合されていないものを選部ことが大切です。

痔を治す内服薬

痔の塗り薬を使用して炎症を鎮めると、熱感は改善します。ただこれは一時的なものであり、薬の効果が切れると再び熱感が起こりやすくなります。

一方で痔が治ってきて炎症が鎮まってくると、その分だけ熱感も緩和します。したがって熱感を根本から改善したいのであれば、痔を治すことが大切です。

また痔を改善するためには、便秘や下痢などが起こらないようにする必要があります。これらはどちらも、痔の原因になるためです。そのため便秘や下痢などが起こっているのであれば、これらに効く薬を使用して症状を改善することが大切です。

このとき痔に便秘を伴っているのであれば、乙字湯の服用をおすすめします。乙字湯は昔から痔の治療に使われてきた漢方薬であり、痔に効くさまざまな生薬が配合されています。

例えば乙字湯には、便秘薬に配合されているダイオウという生薬が含まれています。ダイオウには排便を促す作用があるため、乙字湯を服用すると便秘が改善しやすくなります。

また乙字湯には、血行を改善するトウキという生薬も配合されています。肛門周辺の血行不良は、便秘・下痢と同様に痔の原因となります。そのため乙字湯によって血行不良が改善されると、痔が根本から治りやすくなります。

他にも乙字湯には、炎症を鎮める効果のある生薬が多数配合されています。そのため乙字湯を服用し始めると、数日後には患部の炎症が緩和して熱感が改善しやすくなります。このようなことから、便秘と痔を併発している場合は便秘薬ではなく、乙字湯の服用を推奨します。

一方で下痢体質である場合は、乙字湯ではなく下痢止めを服用することが好ましいです。このような体質の人が乙字湯を飲むと、ダイオウの便秘改善作用が強く働いて下痢を引き起こすことがあるためです。

また下痢は、腸の働きが過剰になることによって起こります。そのため普段から下痢が起こりやすいタイプの人は、腸の動きを抑制する成分が配合されている下痢止めを選ぶことが大切です。

具体的には、ロペラミドロートエキスなどが配合されている薬を選びましょう。また体質による下痢は、急に起こることが多いです。したがって水なしで服用できる下痢止めを選ぶのが好ましいです。

熱をもつ痔への対処法

前述のように、肛門周囲膿瘍に使用できる市販薬はありません。そのため肛門周囲膿瘍によって熱感が起こっている場合、病院に行くまで症状を我慢せざるを得なくなります。

またいぼ痔や切れ痔などによる熱感は、薬の使用で緩和することができます。ただどのような薬であっても、使用してから効果を実感できるまでには時間がかかります。そのため痔による熱感が起こっている場合は、薬を使用しない対処法についても知っておくことが大切です。

熱感の原因が肛門周囲膿瘍・あな痔である場合

基本的に熱感は、患部を冷やすことによって改善します。これは、血管には冷えると収縮する性質があるためです。

前述のように熱感は、患部の血管が拡張して血流が増加することによって起こります。そのため冷却によって血管が収縮すると、その分だけ流れる血液量が減少して熱感が緩和します。

このとき基本的には、肛門周囲膿瘍の患部は氷のうなどを利用して冷やします。氷のうがない場合は、袋に氷と水を入れて患部に当てます。どちらの場合も衣服の上から当て、直接触れさせることは避けます。

また仕事などによって氷のうなどによる冷却が困難な場合は、保冷剤を使用するのが便利です。

保冷剤を直接患部に当てると、凍傷が起こります。凍傷も肛門周囲膿瘍と同様に、熱感の原因となります。したがって保冷剤でおしりを冷やす場合は、ハンカチなどで包んで患部に直接当てないように注意する必要があります。

また仕事中などで冷えた冷剤が手に入れられない場合は、ドラッグストアなどで購入できる瞬間冷却パックを使用するという手段もあります。

瞬間冷却パックは、衝撃を与えることによって氷水のような冷たさになる商品です。そのためこれを利用すると、肛門周囲膿瘍による熱感を効果的に緩和することができます。

なお一般的に患部を冷やすために使用される冷湿布は、肛門周囲膿瘍の患部を冷やすのには向きません。冷湿布にはメントールなどが配合されており、熱感を悪化させやすくするためです。

また冷えピタなどの冷却シートは、熱を外側(布面)に逃がすことによって皮膚の温度を下げます。このときおしりは衣服に包まれているため、冷却シートではうまく熱を逃がすことができません。

さらに冷却シートには、冷却感を増すためにメントールが配合されていることが多いです。したがって肛門周囲膿瘍を冷やす際には、冷湿布や冷却シートなどを利用しないように注意しましょう。

いぼ痔・切れ痔である場合

前述のように、基本的に炎症による熱感は冷やすことによって改善します。ただ、いぼ痔や切れ痔などによって熱感が起こっている場合、冷やすことは推奨できません。これらの痔は、血行不良によって悪化するためです。

いぼ痔などの患部を冷却すると熱感は緩和するものの、肛門周辺の血流が悪くなります。そうすると、うっ血が起こりやすくなったり血流不足によって皮膚の弾力性が低下したりして、痔そのものが悪化しやすくなります。

痔が悪化すると、その分だけ炎症が強くなります。その結果、熱感が改善するどころか悪化しやすくなるのです。したがっていぼ痔や切れ痔などの熱感を改善したくても、患部を冷やしてはいけません。

一方でいぼ痔・切れ痔は、温めることによって症状が改善しやすくなります。温めると血管が拡張するためです。血管が広がると、その分だけ血行が改善されやすくなります。その結果、痔そのものが良くなって熱感が改善されていくのです。

いぼ痔や切れ痔などを温める際には、入浴・座浴が効果的です。また仕事などの際には、カイロを下着に貼ることをおすすめします。そうすることで、手軽におしりを温めることができます。

そして体全体が冷えると、痔の症状が悪化しやすくなります。そのためいぼ痔・切れ痔の症状が出ている場合は、薄着を避けたり温かい飲み物を飲んだりして体を冷やさないように注意しましょう。

まとめ

痔によって起こる患部の熱感は、体を守ったり治したりするために起こる現象です。そのため熱感は、対処しなければならない症状ではありません。

ただ場合によっては、熱感によって作業が手につかなかったり眠れなかったりすることもあるでしょう。このような場合は、熱感対策を講じるのが好ましいです。

このとき熱感への対処法は、原因となっている痔によって異なります。そのため痔の熱感を改善したいのであれば、これまでに述べたような情報を参考にして痔のタイプに応じた対処を実践しましょう。そうすることで痔による熱感が解消して、快適な日々を送れるようになります。


痔であると、トイレの中を血まみれにするだけでなく、座ったときに異常な痛みが起こる人も多いです。トイレのとき、その痛みから私もトイレに行くのが毎日怖いときがありました。

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痔の悩みは周りに相談しにくいです。だからこそ、医薬品を活用して本気で症状を治し、元気な日常生活を取り戻そうとする人は多いです。

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