血便はさまざまな理由によって起こります。その中でも代表的なのが痔です。

痔には大きく分けて、いぼ痔や切れ痔、あな痔などの3種類があります。これらのうち、いぼ痔と切れ痔には出血が伴うことが多いです。そのため、血便が痔によるものである場合、いぼ痔か切れ痔を発症していることになります。

ただ、血便は他の病気によっても起こります。またこのような病気には、がんなどの重篤な病気が含まれます。そのため血便が出たからといって、「痔を発症している」と思い込むのは危険です。

では、どのような血便が痔によるものなのでしょうか? また、痔によって血便を生じた場合、どのように対処すればいいのでしょうか?

そこで、ここでは血便を生じる原因疾患とその症状について解説し、「いぼ痔かな?」と思ったときの対処法について述べていきます。

血便とは?

便は主に食べたもののカスからできています。便となる食べ物は口から体内に入り、胃や小腸、大腸などを経てやがて肛門から排出されます。

このとき、胃や腸などの消化器に出血が起こっていると、食べ物が便になる過程で血液が混ざり込みます。このようにして生じた血が混じった便を血便といいます。

多くの人が知っているように、血液は赤い色をしています。そのため、「血便は赤い」と思い込んでいる人が多いです。ただ実際には、パッと見ただけでは血便と認識できないような色になるケースもあります。

黒くてどろどろした血便

血液にはヘモグロビンという成分が含まれています。ヘモグロビンとは「ヘム鉄」と「グロビン(タンパク質)」が結合した状態になっています。

これらのうち、ヘム鉄は赤~暗赤色を呈した物質です。そのためヘモグロビンは赤~暗赤色を持っており、これによって血液も赤い色になっています。

ヘム鉄は牛や豚などの食肉にも含まれています。具体的にいうと、これら食肉にはヘム鉄を含むタンパク質が含まれており、これによって赤~ピンク色をしています。

ただ、このような肉をたくさん食べて便に混ざっても、便が赤やピンク色などになることはありません。これは、肉を消化吸収する際にはヘム鉄の色が変化するためです。

胃や腸などの消化器からは、食べ物を分解して吸収するために消化液が分泌されています。消化液はヘム鉄を酸化させる性質を持ちます。

ヘム鉄は酸化すると、赤から黒へ色が変化します。そのため食肉の食べ過ぎによって便内のヘム鉄が多くなると、便が黒っぽい色になります。このことから、肉をたくさん食べても便が肉の色にならないことがわかります。

これと同様に血液が消化液の影響を受けると、ヘム鉄が酸化することによって血液の色が黒くなります。そのため、胃や十二指腸などから出血が起こると便が黒くなります。

このようなことから、胃などで出血が起こっても便の色は赤っぽい色にならないということがわかります。つまり、血便=赤色とは限らないのです。

このとき、食肉の食べ過ぎなどによって便が黒くなっても、便の形状は通常と変わりません。

一方で、消化器からの出血によって便が黒くなった場合、便がドロドロとしたタール状になります。そのため、消化器からの出血によって生じる黒い血便はタール便(黒色便)と呼ばれています。

赤い鮮血が混じった血便

前項で述べたように、血便が生じたということは消化器のどこかで出血が起こっているということになります。

このとき、血液が消化液の影響を受けずに便に混ざると、便の色が血液そのものの色になります。そのため、消化器の下の方の組織から出血すると赤い血便になります。

例えば、肛門から出血が起こると、血液がすぐに体外へ排出されます。そのため、血便の原因が肛門部からの出血である場合、血便は赤い色となります。

また、大腸などの肛門に近い部分に生じた出血では、血液が消化液の影響を受ける時間が短くなります。そのため、この部分の出血では赤い血便を生じます。

肉眼では確認できない血便

便は健康のバロメータであるということは有名な話です。そのため、排便時に便の状態を確認している人は多いです。また自身の健康のためではなくても、トイレを流す際にチラッと便を見ることはあるでしょう。

このとき健康情報に詳しくない人であっても、黒色や赤色などの血便になっていれば「身体のどこかがおかしいのではないか」と思うはずです。中には、出血が起こっているということを推測できる人もいるでしょう。

一方で便の色がいつもと変わらない場合、「血便を生じているかもしれない」と思う人はほとんどいません。ただ、便の色が健康的な色であっても、目に見えない量の血液が便に混じっているケースがあります。

このようなタイプの血便は、病院で検査しなければわかりません。そのため、集団検診などによって血便の事実が判明することがほとんどです。

鮮血が混じった血便を伴う疾患とその特徴

冒頭で述べたように、痔には出血を伴うことがあります。痔は肛門に生じる病気です。そのため、痔による出血は肛門部から起こります。

肛門部分から出血した血液は、消化液の影響を受けずに排出されます。そのため痔によって出血が起こると、便に赤い鮮血が混じります。このことから、黒色の血便が生じた場合は痔が原因ではないと判断することができます。

ただ、鮮血を含む血便はさまざまな原因によって起こります。そのため赤い血便を生じたという事実だけでは、原因を特定することはできません。

しかしながら、血便を起こす病気のほとんどには血便以外の症状も伴います。そのため、他にどのような症状が出ているかを見極めることで、血便の原因を推測することができるようになります。

痔で血便を生じた場合

いぼ痔とは、肛門クッションと呼ばれる組織がうっ血して腫れ上がる病気のことをいいます。これに対して、切れ痔とは肛門部分に裂傷が起こった状態を指します。

いぼ痔の中には多くの血液が溜まっています。また、いぼ痔の表面は通常よりも脆い状態になっています。そのため、排便時にいぼ痔が便と擦れると、表面に傷がついて出血が起こります。

また、腕などに傷ができると血が出るのと同様に、切れ痔には出血が伴います。特に、排便時には肛門が広がるため、傷口が開いて出血しやすくなります。

このように、痔による出血は排便時に起こることが多いです。そのため、便の表面に血液が付着していたり排便後に肛門から出血が起こったり、おしりを拭いたトイレットペーパーに血がついたりする場合は痔である可能性が高いです。

また、いぼ痔と切れ痔はどちらも、便秘や下痢などによって起こりやすくなります。

便秘をすると、強くいきまないと排便できなくなります。そうすると、肛門クッションに血液が多く流れ込んでいぼ痔を生じやすくなります。

さらに、便秘が起こると便が硬くなります。硬くなった便を排出しようとすると、肛門に強い負荷がかかります。そうすると、広がりきれなかった肛門が裂けて裂傷を生じます。

一方で、下痢をすると排便回数が増えます。排便の際には肛門クッションに血液が流れ込みやすい状態となるため、排便回数が増えるとその分だけいぼ痔を生じやすくなります。

また、下痢になると便に含まれる水分量が多くなります。このような便は肛門の皮膚に刺激を与えて「容易に裂けやすい状態」にします。そのため、下痢になると切れ痔を生じやすくなります。

このように、便秘や下痢などはいぼ痔や切れ痔などの原因となります。そのため、これら症状が頻繁に起こっている自覚がある人は、血便の原因がいぼ痔や切れ痔などであることを疑う必要があります。

いぼ痔には肛門の内側に生じるタイプ(内痔核)と肛門の外側に生じるタイプ(外痔核)があります。

外痔核は肛門付近に生じるため、自分で触ることができます。また、内痔核が進行すると、肛門から脱出(脱肛)するようになります。そのため、肛門付近にぷにぷにとした出来物を生じている場合、血便・下血の原因はいぼ痔であるといえます。

また、切れ痔を生じると切れている部分が強く痛むようになります。そのため、血便・下血に肛門の痛みを伴っているのであれば、切れ痔を発症している可能性が高いといえます。

食あたりで血便を生じた場合

わたしたちが口にしている食べ物には、さまざまな種類の細菌が付着しています。例えば、生肉には多くの細菌が含まれていることは有名です。また、一般的に無菌とイメージされがちな野菜にも、多くの細菌が付着しています。

さらに、細菌は空気中にも多く存在しています。そのため、缶詰などの「封をしてから加熱殺菌処理を行った食品」以外の加工食品や店頭で販売されている惣菜などにも菌は付着しています。

このような細菌の中には、細菌感染を起こして人体に悪影響を与えるものがあります。そのため、ほとんどの食品には細菌感染を起こすリスクがあるといえます。

ただ、人間の体にはこのような細菌から身を守るための仕組みがいくつも備わっています。そのため、体内に入った細菌が少量であれば、細菌感染が起こることはありません。

しかしながら、生肉などのように病原体となる細菌が多く含まれている食品を食べると、細菌感染が起こってさまざまな症状が現れることがあります。これを食中毒(食あたり)といいます。

食あたりを起こすと、細菌が放出する毒素が腸の細胞を傷つけて血便を生じることがあります。このとき出血が大腸などの肛門に近い部分から起こると、血便の色は赤くなります。

通常、細菌の毒素によって腸がダメージを負うと下痢が起こります。また、細菌による毒素は胃などにも悪影響を及ぼすため、食あたりには腹痛や嘔吐などの症状も伴います。

また、食あたりを起こした人の中には発熱が起こるケースもあります。そのため、血便以外に腹痛や下痢、嘔吐、発熱などの症状が起こっている場合は、食中毒が起こっている可能性が高いといえます。

潰瘍性大腸炎で血便を生じた場合

強すぎるストレスは免疫機能を狂わせます。免疫には外敵などから身を守る働きがあります。そのため、免疫機能が狂うと外敵と戦えなくなったり、本来敵ではないものを敵として認識したりします。

このとき、免疫異常によって腸粘膜の細胞が敵と認識されると、慢性的な炎症が起こって腸粘膜がただれたり深い傷(潰瘍)ができたりすることがあります。このような病気を潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)といいます。

潰瘍性大腸炎の初期には、血便以外の症状が現れにくいです。

ただ、潰瘍性大腸炎が悪化すると、腹痛や下痢などの症状が起こるようになります。そのため、血便にこのような症状を伴っているのであれば、潰瘍性大腸炎を疑う必要があります。

大腸ポリープで血便を生じた場合

ポリープとは粘膜に生じたきのこ状の盛り上がりのことをいいます。

ポリープは粘膜の炎症や細胞の異常増殖などのさまざまな原因によって起こります。これらのうち、炎症によって起こるものを炎症性ポリープ、細胞の異常増殖によって起こるものを腫瘍(しゅよう)といいます。

ポリープが大腸に生じると、大腸の中に突起物がある状態になります。このような「出っ張っている部分」は、腸の内容物が通過する時に擦れやすいです。そのため、大腸にポリープができていると、ポリープからの出血によって血便を生じることがあります。

大腸ポリープの多くは、肛門に近い部分に起こります。そのため、大腸ポリープによる血便は赤い色となっていることが多いです。

大腸ポリープの初期では自覚症状がほとんどありません。ただ、出血するほど大きなポリープとなると、腹痛を伴うことが多いです。そのため、赤い血便を生じているのであれば、腹部に痛みが起こってないかを注意深く観察することが大切です。

大腸がんで血便を生じた場合

がんとは変質した細胞が異常に増殖して塊を形成し、まわりの組織を壊していく病気のことです。また、このようにして生じた塊を悪性腫瘍(あくせいしゅよう)またはがんと呼びます。

大腸がんは大腸の粘膜に発生したがんのことであり、ポリープ型と扁平型の2種類があります。

ポリープ型は、大腸に生じたポリープの一部にがんが発生するタイプの大腸がんです。大腸がんの約95%がこのタイプであるといわれています。

これに対して扁平型は、ポリープになっていない粘膜にがんが発生するタイプの大腸がんです。

がん細胞には血管を新たに作って血液をがん組織内に引き込むという性質があります。ただ、このようにして作られた血管は脆いです。そのため、がん組織からは容易に出血が起こり、血便を生じます。

また、大腸がんが進行してくると、ポリープが便の通過を邪魔したり腸の機能が低下したりすることによって排便に異常が起こるようになります。

そのため、大腸がんには便が細くなったり下痢・便秘が起こったり、残便感を感じたりなどの症状を伴うことがあります。中には、腹痛や腹部のしこりなどが起こる人もいます。

ただ、大腸がんの初期ではほとんど自覚症状がありません。そのため、これらの症状が起こっていないからといって大腸がんではないと言い切ることはできません。

血便によって痔かも?と思ったらするべきこと

痔は自力で治すことができる病気です。

ただ、痔は放っておいて治る病気ではありません。これは、痔の発症原因が悪い生活習慣に由来するためです。そのため、生活習慣を正さなければ、痔が治らないだけではなく悪化していくことになります。

しかしながら、痔を治すために生活を見直しても血便の原因が痔ではなかったら、血便が治ることはありません。

また、血便の原因を痔だと勘違いしていると、真の原因となっている病気の発見が遅れて重篤な症状が起こることがあります。そのため、血便によって痔を疑っているのであれば、まずは血便の原因が本当に痔かどうかを見極めることが大切です。

血便の原因の見分け方

血便を伴う痔では、嘔吐や発熱などが起こることはほとんどありません。そのため嘔吐・発熱を伴う血便は、痔が原因ではないといえます。

一方で、肛門部分にぷにぷにとしたいぼを生じていたり肛門部分に強い痛みを感じたりするのであれば、痔を発症している可能性が高いです。

また、痔では肛門から出血が起こります。そのため、血便の原因が痔である場合、便に血が混じるだけではなく肛門から直接血が出ることが多いです。

このとき、いぼ痔の初期や切れ痔などではトイレットペーパーに血がつく程度の出血量となることがほとんどです。

また、いぼ痔が進行してくると、便器に血が落ちたりおしりから勢い良く血が出たりするようになります。そのため、このような現象に痔の症状が伴うのであれば、血便の原因は痔である可能性が非常に高いといえます。

これらのうち、切れ痔や進行したいぼ痔などには血便以外の症状も伴います。ただ、初期のいぼ痔では血便以外の症状が起こらないことがあります。そのため、「血便以外に痔の症状がない=痔ではない」とは言い切れません。

一方で、血便以外に痔の症状が出ていない場合、大腸がんを発症している危険性もあります。

そして、大腸がんによる血便を「痔のせいだ」と思い込んでいると、がんが進行して手遅れになることがあります。そのため、40代を超えていたり家族にがんを発症した人がいたりする人は、「血便のみ」という症状を生じたら検査に行くことをおすすめします。

おしりを清潔にして下着に生理用ナプキンなどをあてる

血便の原因が痔である場合、肛門には炎症が起こっている状態となっています。

このような状況で肛門を不潔にしていると、炎症が起こっている部分に負担がかかって症状が悪化しやすくなります。そのため、痔を発症しているようであれば、肛門を清潔に保つことを意識することが大切です。

具体的にいうと、排便後にはトイレのウォッシュレット機能で肛門を洗い流すのをおすすめします。このとき、水の勢いを強くするといぼ痔や切れ痔などを生じている部分に悪影響を与えます。そのため、ウォッシュレットを使用する際は水勢を最弱にすることが大切です。

また、ウォッシュレット機能のないトイレを使用するときは柔らかいウェットティッシュで肛門を拭くようにすると、肛門に負担をかけずに清潔にすることができます。

入浴する際には、おしりをお湯に浸からせて肛門を優しく洗うようにしましょう。このとき、洗剤をつけすぎると患部が痛むだけではなく、痔が悪化する危険性があります。そのため、おしりを洗うときには最小限の洗剤を使用するようにしましょう。

そして、排便後にしばらく出血が続くようであれば、生理用ナプキンやコットンなどを下着に当てておくことをおすすめします。そうすることで、出血によって下着などを汚さずに済みます。また、これらが手に入らない場合は、トイレットペーパーをたたんでおしりに当てておきましょう。

ただ、トイレットペーパーは生理用ナプキンなどに比べて弱く、破けやすいです。そのため、トイレットペーパーを使用するのはあくまで応急処置にするのが賢明です。

生理用ナプキンを購入するのが恥ずかしいと感じる場合は、薬の専用カウンターがあるお店で痔の薬と一緒に購入してみましょう。そうすることで、自然な流れで生理用ナプキンを手に入れることができます。

生活習慣を正す

これまでに述べたように、便秘や下痢などは痔の発症・悪化の原因となります。そのため、痔を改善するためには排便異常を正すことが大切です。

排便を正常化させるためには、食事に気をつける必要があります。具体的にいうと、食物繊維や発酵食品などを積極的に摂り、食肉や油脂などのとり過ぎに注意することが大切です。

また、ストレスや睡眠不足などは腸の機能を低下させて便秘・下痢を引き起こします。そのため、十分な休息を取ってストレスや疲れなどを溜めないように注意しましょう。

痔は市販の薬で症状を緩和することもできます。痔の市販薬のうち、飲むタイプのものは痔を改善させやすくするだけではなく、便通異常も正す作用があります。

このような薬は市販薬の取扱店やインターネットなどで購入できます。そのため、痔かもしれないと思ったら痔の薬を使用して症状を緩和し生活習慣を正していきましょう。

まとめ

肛門から出血が起こったり赤い血便を生じたりした場合、多くの人は痔を疑います。

実際に、いぼ痔や切れ痔などには血便などを伴います。ただ、これらの症状は痔以外の病気によって起こることもあります。そのため、「血便が起こった=痔である」と思いこむのは危険です。

しかしながら、血便などを生じる病気には、これら以外の症状を伴うことが多いです。そのため、血便などが起こったのであれば、他の症状が出ていないかを注意深く見ることが大切です。

そして痔が発症していることがわかったら、早急に生活習慣を見直しましょう。そうすることで血便などが改善して、下着が汚れるリスクやトイレが真っ赤に染まる恐怖などから開放されるようになります。


痔であると、トイレの中を血まみれにするだけでなく、座ったときに異常な痛みが起こる人も多いです。トイレのとき、その痛みから私もトイレに行くのが毎日怖いときがありました。

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ピーチラックは便秘にも効果があり、便を柔らかくしながら痔に対しても改善作用があります。漢方薬なので、一日で劇的な効果を期待することはできません。ただ、一ヵ月以上にわたって服用することで徐々に痔の症状が改善されていきます。

痔の悩みは周りに相談しにくいです。だからこそ、医薬品を活用して本気で症状を治し、元気な日常生活を取り戻そうとする人は多いです。

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