痔は、漢方と相性のいい疾患です。そのため痔を発症している人は、自分に合った漢方薬を使用することによって痔が改善しやすくなります。

このとき痔に効く漢方薬の中には、塗り薬も存在します。ただ一般的に、漢方薬は西洋薬よりも効果の低い薬だと思われがちです。そのため痔に効く漢方の塗り薬は、西洋医学に基づく痔の塗り薬よりも効かないと思われています。

では、痔に効く漢方の塗り薬を使うメリットはあるのでしょうか? また漢方薬の塗り薬を使う際には、どのような点に注意すればいいのでしょうか?

ここでは痔の漢方薬の塗り薬について解説し、薬の選び方や使い方などについて述べていきます。

漢方の塗り薬で痔が治るのか?

ボラギノールは日本で初めて販売された痔の西洋薬です。中でも黄色いパッケージのボラギノールAは、誰もが知っているほど有名です。

ボラギノールには、痔による痛みや出血などを鎮めたり患部の治りを早めたりする成分が含まれています。このような痔の症状を抑える効果は、漢方の塗り薬よりも強いです。そのため痔のつらい症状をとにかく抑えたいという人は、漢方薬よりもボラギノールを選ぶことが推奨されます。

ただ基本的に西洋薬は、表面化している症状を緩和する対症療法です。そのためボラギノールを使用しても、痔そのものが良くなることは期待できません。

これに対して漢方医学は表面化している症状だけではなく、病気や体質そのものを治していくことを目的とするものです。そのため漢方薬は西洋薬よりも、病気を根本から治す効果が高いのです。

漢方薬は非ステロイド薬

漢方薬は薬効のある植物によって構成されている薬です。

これに対して西洋薬は、植物から抽出したり化学的に合成したりして得た有効成分が配合されています。そのため西洋薬は漢方薬に比べて効き目が鋭く、症状の改善効果を実感しやすいです。

ただ効き目が強いということは、その分だけ体への負担が重いということを意味します。特にボラギノールAなどの痔の西洋薬には、ステロイド成分が配合されています。

ステロイドは炎症を鎮める効果の高い成分です。ただ一方で長期間連用すると、免疫力が低下したり皮膚が薄くなったりなどの副作用が起こりやすくなります。そのためステロイドを含む痔の薬は、10日以上連続して使ってはいけません。

これに対して漢方薬の塗り薬には、ステロイドが配合されていません。そのため連用によって副作用が起こる心配がなく、体への負担も少ないです。

このようなことから漢方薬の塗り薬は、ステロイドが配合されている痔の西洋薬よりも安心して使いやすい薬であるといえます。

妊婦や子供でも安心して使える

妊婦が使用した薬のほとんどは、血液によって胎児へと運ばれます。同じく授乳中の女性が使用した薬も、母乳を通して赤ちゃんに移行します。

赤ちゃんの体はかなり未熟です。そのため妊婦・授乳婦が使用した薬によっては、赤ちゃんに悪影響が及びます。

このとき塗り薬は、胎児や赤ちゃんなどへ与える影響がかなり少ないといわれています。

ただ「胎児・赤ちゃんへの悪影響はまったくない」という保障はありません。このことから、ステロイドが配合されている塗り薬の使用をためらう妊娠中・産後の女性はかなり多いです。

また体の小さな子供は、大人に比べて薬の影響が出やすいです。そのため大人が使って問題のない薬であっても、子供には悪影響が及ぶことがあります。特にステロイド配合薬は、子供へ安易に使用しないことが推奨されています

このとき前述のように、漢方薬の塗り薬にはステロイドが配合されていません。そのため痔に効く漢方の塗り薬は、妊娠中の女性や子供などでも安心して使うことができるのです。

傷薬として使える

ボラギノールなどの痔の西洋薬は、肛門のみに使用することを前提としています。

実際に痔の西洋薬の用法・容量では、肛門部のみに使用するように指示されています。そのため薬を使い切る前に痔が治ると、薬が余ってしまうことになります。

一方で漢方薬の塗り薬は、ひびやあかぎれ、けがなどのさまざまな症状に使用できます。そのため痔が治った後でも、常備薬として置いておくことができます。このことから漢方の塗り薬は、経済面でのメリットもあるといえます。

痔に効く漢方薬の塗り薬と選び方

痔にはいぼ痔(痔核)と切れ痔(裂肛)、あな痔(痔ろう)の3種類があります。

これらのうち、痔ろうは手術なしでは治りません。そのため肛門やおしりの皮膚などから膿が排出されるなどのあな痔症状が出ている場合、病院に行く必要があります。

一方でいぼ痔や切れ痔などは、薬を使用して治すことができる病気です。そのため肛門付近にぷにぷに・コリコリとしたイボができていたり、肛門にビリビリ・ピリピリとした痛みが起こったりするなどのいぼ痔・切れ痔症状が起こっているのであれば、漢方薬の塗り薬を使用することができます。

なお漢方の塗り薬はすべて肛門の外側に塗る薬であり、肛門の内側には使用できない設計になっています。そのため肛門の内側に薬を塗りたい場合は、ボラギノールなどの注入軟膏や坐剤(座薬)などを選びましょう。

そして、漢方薬の塗り薬としては以下のようなものがあります。

紫雲膏(しうんこう)

紫雲膏は、江戸時代から痔の治療に使用されてきた漢方薬の塗り薬です。痔だけではなく、さまざまな皮膚症状に効果を発揮します。

紫雲膏には炎症を鎮める効果のある紫根(シコン)当帰(トウキ)などの生薬が配合されています。そのため紫雲膏は、痔による痛みやかゆみなどを軽減する効果が期待できます。

シコンは紫色の生薬です。そのためシコンが主成分である紫雲膏は、濃い紫色の軟膏となっています。

以下がシコンの写真です。

また紫根は発売当初のボラギノールにも配合されており、「ボラギノール」という商品名の由来にもなりました。このことからもシコンは、痔を治す効果が高い生薬であることがわかります。実際にシコンには、傷の治りを早める効果があります。

また同じく紫雲膏に配合されているトウキには、血行を良くする効果があります。

このとき、いぼ痔は肛門組織のうっ血によって起こります。また肛門周辺に血行不良が起こると、皮膚の弾力性が低下して裂けやすい状態となります。そのためトウキによって肛門の血行不良が改善すると、いぼ痔や切れ痔などが根本から治りやすくなります。

このように紫雲膏には痔の症状を緩和させるだけではなく、痔そのものを治りやすくする効果があります。

このことから痔に効く漢方薬の塗り薬が欲しいのであれば、まずは紫雲膏を試してみることをおすすめします。

紫雲膏は病院などで処方される医療用医薬品だけではなく、クラシエやツムラなどの大手漢方メーカーが市販薬を製造しています。そのためドラッグストアなどで手に入ることが多いです。

中黄膏(ちゅうおうこう)

中黄膏も紫雲膏と同様に、さまざまな皮膚疾患に効果を発揮する漢方の塗り薬です。ベルクミンなどの名前で販売されており、いぼ痔や切れ痔などにも使用できます。

中黄膏には黄柏(オウバク)や鬱金(ウコン)などが配合された黄色い軟膏です。これらの生薬には、抗炎症作用や抗菌作用などが確認されています。そのため中黄膏を痔に用いると、痔による痛みやかゆみなどが緩和することが期待できます。

このとき中黄膏は紫雲膏に比べて、炎症が強く起こって患部が熱を持つような症状に適しています。そのため痛みやかゆみなどが強く現れている痔の場合は、中黄膏を選ぶことが推奨されます。

中黄膏は市販薬として販売されているものの、取扱いのある薬店は少ないのが実情です。そのため中黄膏が欲しい場合は、漢方専門の薬局(漢方薬局)へ行くかインターネット通販を利用しましょう。

痔に効く漢方薬の塗り方と注意点

痔に効く漢方の塗り薬は、肛門の外側にできた痔に用います。そのため痔の患部には、指で薬を取って直接塗り込むことができます。

このとき中には、もったいないからといって患部に薄く薬を伸ばす人がいます。ただ薬の使用量が少なすぎると、薬の効果が現れにくくなります。

一方で薬を多めに使用すると、痔の患部が下着と直接触れにくくなります。そうすると、患部が擦れることによる痛みが起こりにくくなります。このことから痔の患部に漢方薬を塗る際は、多めに使用することが大切です。

またボラギノールなどの西洋薬から漢方薬を含め、痔の外用薬はすべて油脂性です。このとき油脂性のシミ(例えば、カレーをこぼしたときに生じるシミ)は、他の食べ物に比べて落ちにくいです。これと同様に、痔の薬によって生じた下着のシミは洗濯しても簡単には落ちません。

特に漢方の塗り薬には、生薬由来の色があります。中でもシコンやオウバク、ウコンなどは、染料として使用されることがあるものです。そのため漢方の痔の薬が下着に付着すると、下着が紫や黄色などに染まってしまいます。

このようなことから痔へ漢方の塗り薬を使用する際には、軟膏をガーゼごと当てることをおすすめします。

まず以下のように、適度な大きさに切ったガーゼに軟膏を多めに出します。

そしてそのガーゼを、痔の患部に当てます。このときおしりで挟み込むようにしてガーゼを医療用テープで貼り付けると、ずれにくくなります。

ただこのようにしても、ガーゼがずれると軟膏が下着に付くことがあります。そのため紫雲膏などを使う際には、汚れたら困る下着を着用しないことをおすすめします。また生理用ナプキンなどで下着を保護するのもいいでしょう。

薬を塗るタイミング

痔の漢方薬は、排便の後に塗るようにします。これは薬を使用した後に排便すると、有効成分が便と一緒に排出されてしまうためです。

このとき患部が便などで汚れた状態で薬を使うと、症状が緩和するどころか、かえってかゆみなどが増しやすくなります。そのためウォシュレットなどでしっかり肛門を洗い流してから薬を使用しましょう。

また薬の効果は、数時間でなくなります。そのため痔の患部には、1日2~3回薬を塗ることをおすすめします。そのうちの一回を寝る前にすると、就寝中に薬が効いて痔が治りやすくなります。

まとめ

漢方の塗り薬は、ボラギノールAなどに比べて症状を抑える効果が弱いです。一方で、妊婦や子供などでも安心して使えるというメリットがあります。

また漢方の痔の塗り薬は、やけどや傷などにも使用できます。そのため痔が治って薬が余っても、無駄にすることがありません。

ただ痔の漢方薬には、染料として利用されることもある生薬が含まれています。そのため漢方の塗り薬を使用する際には、薬が下着に触れないように注意する必要があります。

そのため痔に効く漢方の塗り薬は、これまでに述べた情報を参考にして使用しましょう。そうすることで、安心して薬を使うことができ、痔をすばやく完治させることができるようになります。


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