一般的に発熱は、風邪などの感染症によって起こるイメージが強いでしょう。このとき風邪では、発熱に咳や鼻水などの風邪症状を伴います。そのため咳や鼻水などを伴う発熱は、「風邪による発熱である」と自覚しやすいです。

一方で風邪以外の発熱では、咳などの風邪症状が起こりません。そのため風邪症状が起こっていない状態で発熱が起こったら、原因を特定しにくいです。特に痔の症状に加えて発熱を伴っている場合、「痔が悪化しているかもしれない」と不安になることでしょう。

では、痔によって寒気や高熱などが起こることはあるのでしょうか? また痔による発熱が疑われたら、どのように対処すればいいのでしょうか?

ここでは痔と発熱の関係性について解説し、痔による寒気・発熱への対処方法を述べていきます。

痔で寒気・高熱が出ることはあるのか?

寒気は、外気温や室温などに関わらず寒さを感じる現象です。これは、脳が「寒い」と感じることによって発熱が起こるためです。

例えば感染症によって39℃まで熱が上がる場合、まず体の「設定温度」が39℃まで上昇します。ただ最初のタイミングでは、体温は平熱(36~37℃)のままです。そのため体の設定温度が先に上がると、実際の体温との差によって脳が寒さを感じます。

そうすると、寒さを解消するために体内でたくさんの熱が作られるようになります。その結果、体温が高くなって発熱が起こるのです。つまり寒気とは、発熱の前兆なのです。したがって寒気が起こっているということは、その後に発熱が起こるということを意味します。

このとき基本的に、寒気・発熱は感染症によって起こります。そのためさまざまな種類の痔の中でも、以下のような「感染症が原因ではないタイプ」では、寒気・発熱が起こりません。

いぼ痔と切れ痔は発熱の原因にならない

痔にはいぼ痔(痔核)切れ痔(裂肛)あな痔(痔ろう)の3種類があります。

これらのうちいぼ痔と切れ痔は、患者数の多い痔です。いぼ痔には肛門内側にできる内痔核と、肛門外側にできる外痔核の2種類があります。

内痔核では、肛門内の肛門クッションと呼ばれる組織に大量の血液が溜まって腫れ上がり、イボ状の出来物を生じる病気です。

また外痔核は、肛門外側のクッションの内部に血の塊ができ、組織がうっ血して腫れ上がることによって起こります。

そして切れ痔とは、肛門皮膚に生じる裂け傷です。

このとき組織が充血したり手足に血豆ができたりしても、全身性の発熱が起こることはありません。また通常、皮膚に傷ができただけでは高熱が出ることはありません。

これと同様に、いぼ痔や切れ痔などで全身性の発熱が起こることはありません。そのため、もしあなたにいぼ痔・切れ痔の症状が出ているのであれば、発熱の原因は痔ではありません。

一方でおしりが赤く腫れて痛む場合は、痔ろうの症状が起こっている可能性が高いです。そしてこの病気には、発熱を伴います。そのため痔が原因で発熱しているのであれば、痔ろうを疑う必要があります。

高熱が出る痔とは?

肛門と直腸の間には、肛門腺窩(こうもんせんか)と呼ばれる穴が全周囲に空いています。このような穴は上向きに空いているため、便の状態が悪いと便が入り込んでしまうことがあります。

便には、腸内に生息している細菌が大量に含まれています。そのため肛門腺窩に便が入り込むと、奥に存在している肛門腺で細菌が繁殖しやすくなります。

肛門腺で細菌が増えると、繁殖を食い止めるために体の免疫機能が働き始めます。具体的にいうと免疫細胞が細菌と戦い、感染症を食い止めようとします。

このとき前述のように、風邪やインフルエンザなどの感染症では発熱が起こります。これは、体温が高いほど免疫細胞の活動が活発になるためです。そのため細菌やウイルスなどの病原体が体内に入ると、これを速やかに排除するために体温が上がります。

これと同様に肛門組織で細菌が繁殖すると、これを排除するために体温が上がります。そのためおしりの内部で細菌が増殖すると、全身性の発熱が起こることがあります。このような病気を肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)といいます。

おしり内部の細菌感染によって免疫細胞と細菌が戦うと、これらの死骸が膿を形成して組織に溜まっていきます。ただ、肛門腺につながる肛門腺窩は上向きに空いています。そのため肛門腺に溜まった膿は、排出されづらい性質があります。

肛門腺に行き場のない膿が溜まると、おしりの内部の圧力が弱い部分を流れ進んでいきます。これはちょうど、水が石の間を抜けて土中に染みていく様子に似ています。

そして膿がおしりの皮膚に流れ着くと、皮膚に穴が空いてここから膿が排出されるようになります。これがあな痔です。つまり肛門周囲膿瘍は、あな痔の前段階の症状なのです。

実際に、肛門周囲膿瘍の約50%はあな痔に発展します。そしてあな痔は、手術なしには治らない病気です。したがって、おしりの腫れや痛みなどに発熱を伴っている場合は、早急に対処する必要があります。

痔による高熱はどうしたら下がるのか

肛門周囲膿瘍では、おしりの内部に膿が溜まります。膿は体にとって、排除すべき異物です。そのためおしりの内部に膿がたくさん溜まっていると、その分だけ免疫機能が働きやすくなります(=熱が上がりやすくなる)。

一方で肛門周囲膿瘍が進行してあな痔となると、おしりの皮膚などから膿が排出されます。そうすると、おしりの内部の膿が少なくなって熱が下がることがほとんどです。したがって肛門周囲膿瘍による発熱は、放置してあな痔に発展することによって治まります。

ただ前述のようにあな痔は、手術なしでは治りません。そのため肛門周囲膿瘍をあな痔に発展させて発熱を改善するのは、現実的な解決策ではありません。

またあな痔の発症によって膿が漏れ出るようになると、下着やおしりなどに膿が付着するようになります。そうすると下着などが汚れるだけではなく、膿の臭いにも悩まされることになります。その結果、生活の質が大きく低下します。

さらにあな痔を放置すると、膿の通り道が増えて治りづらくなっていきます。最悪の場合、がんに発展することもあります。したがって肛門周囲膿瘍によって発熱が起こっているようであれば、放置せずにすぐに対処することが大切です。

肛門周囲膿瘍の治療方法

前述のようにおしり内部の膿が排出されると、熱は下がります。このとき皮膚表面に溜まった膿であれば、自分で絞り出すことができます。

一方で肛門周囲膿瘍の患部は、おしりの深いところにあります。そのため肛門周囲膿瘍によって溜まった膿は、自力で出すことができません。膿を排出するためには、病院で患部を切り開いて貰う必要があります。

ただ切開によって膿を出しても、おしり内部の細菌感染が完全に治癒しなければ再び膿が生成されます。

このとき「切開による傷口=膿の出口」が塞がってしまうと、再びおしり内部に膿が溜まっていくことになります。そのため肛門周囲膿瘍の切開後には、通院して傷口が塞がらないようにする必要があります。

また細菌感染が悪化すると、その分だけ生じる膿の量が多くなります。そのため肛門周囲膿瘍を発症したら、体内の細菌を殺すために抗菌薬(抗生物質)が処方されることがあります。

ただ抗生物質を飲んでいても、便の状態が悪ければ肛門周囲膿瘍の改善は見込めません。肛門周囲膿瘍の原因は、便の中に含まれる腸内細菌であるためです。

抗生物質によって肛門腺の細菌が殺されても、肛門腺に便が入り込んでしまったら戦力(細菌)が補給されることになります。その結果、肛門周囲膿瘍が治りにくくなるのです。そのため肛門周囲膿瘍を発症したら、便秘や下痢にならないように注意する必要があります。

市販薬で対処することはできるのか?

基本的に肛門周囲膿瘍は、病院で処置を受けることが推奨される病気です。ただ、仕事などですぐに病院に行けない人は多いです。そのため中には、市販薬で肛門周囲膿瘍を治そうとする人がいます。

ただ市販されている抗菌薬は、外用薬(塗り薬)のみです。抗菌剤が配合された飲み薬は、ドラッグストアなどでは手に入れられません。

肛門周囲膿瘍の患部はおしりの内部です。そのため抗菌剤入りの塗り薬を、患部に使用することはできません。したがって肛門周囲膿瘍によって生じた化膿は、市販薬では対処することはできないといえます。

解熱剤を飲んでも大丈夫なのか?

基本的に会社員は、病気で仕事を休むことは簡単ではありません。また育児中の人が病院に行くためには、子供を誰かに預ける必要があります。

そのため仕事や育児などを休めるタイミングでなければ、病院に行くことはできません。したがって肛門周囲膿瘍を発症すると、病院に行けるタイミングまで発熱に苦しむことになります。

このとき市販薬の中には、解熱剤があります。解熱剤を使用すると発熱が抑えられ、体が楽になります。そのため肛門周囲膿瘍による発熱をつらく感じた場合、解熱剤を使用したいと考えることでしょう。

ただ基本的には、肛門周囲膿瘍による発熱を解熱剤で抑えることはおすすめできません。

例えば風邪やインフルエンザなどによって生じた高熱は、薬で下げないのが好ましいとされています。これは、発熱が体内に入った病原体を排除するために起こる現象だからです。

そのため薬で無理やり熱を下げてしまうと、免疫力が一時的に低下して「病原体への抵抗力が弱い状態」になります。その結果、感染症が長引いたり悪化したりしやすくなります。

これと同様に細菌感染によって起こる肛門周囲膿瘍の発熱は、なるべく薬で下げないことが推奨されるのです。

また基本的に解熱剤には、鎮痛効果もあります。そのため肛門周囲膿瘍の熱を下げるために解熱剤を飲むと、痛みなどの症状も緩和します。

このようにして肛門周囲膿瘍の痛みが軽くなると、症状が気にならないことによって「病院に行かなければならない」という気持ちが薄くなります。その結果、病院を受診するのが遅れてあな痔の発症につながりやすくなります。

肛門周囲膿瘍による発熱が起こっても、なるべく解熱剤は使わないように心がけることが大切です。どうしても症状がつらい場合は、病院に行く日程を先に決めてから解熱剤を使用しましょう。そうすることで漫然と薬を使うことがなくなり、あな痔の発症リスクを低下させることができます。

まとめ

基本的に発熱は、感染症によって起こります。そのため、いぼ痔や切れ痔などの「感染症が原因ではない痔」では、発熱が起こりません。

一方であな痔の前段階である肛門周囲膿瘍は、感染症によって起こる病気です。そのため、おしりの腫れや痛みなどに発熱を伴っている場合は、痔によって高熱が起こっている可能性があります。

ただ肛門周囲膿瘍の約半分は、あな痔に発展します。そして、あな痔は手術なしには治らない病気です。

痔による発熱が疑われるのであれば、これまでに述べたような情報を参考にして自分の痔の種類を特定しましょう。そうすることで早急に対処することができ、重篤な症状につながるリスクを減らすことができます。


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