肺炎などの細菌による感染症で病院を受診すると、抗菌薬(抗生物質)が処方されます。通常、抗生物質は1週間~10日程度服用し続ける必要があります。

一般的に薬の服用期間が長くなると、その分だけ副作用のリスクが高くなります。そのため抗生物質の服用期間中に別の病気が起こったら、抗生物質の副作用が起こっているように感じやすいです。例えば抗生物質を飲んでいる期間に痔が起こると、抗生物質が原因で痔が起こっているように思えます。

では、抗生物質が原因で痔が起こることはあるのでしょうか? また抗生物質によって痔が起こったら、どのように対処すればいいのでしょうか?

ここでは抗生物質と痔の関係性について解説していきます。

抗生物質の副作用と痔の関係性

細菌を殺したり細菌の増殖を抑えたりする効果がある成分のうち、人体に強い毒性がないものを抗菌薬と呼びます。そして抗菌薬のうち、微生物が作り出したものが抗生物質です。

ただ一般的には、「抗生物質=抗菌薬」という意味で使用されています。これは、抗生物質という単語の方が一般的な認知度が高いためであるとされています。

また抗菌という表現は、薬だけではなく洗剤や加工製品などにも使用されています。そのため場合によっては、抗生物質を抗菌薬と表現すると誤解が生じる可能性があります。

実際に医者が患者に抗菌薬について説明するときには、抗生物質と表現しています。これに習い、ここでは抗生物質=抗菌薬として解説していきます。

抗生物質の副作用とは?

抗生物質には、起こる頻度の高い副作用があります。それが下痢です。

抗生物質は、体内にいる細菌を減らす作用を持ちます。これによって病原体となっている細菌を排除し、病気を治します。

ただこのとき、抗生物質が減らすのは病原体となっている細菌だけではありません。腸内に住み着いている細菌も減少させます。

腸内には人体に害のある細菌(悪玉菌)だけではなく、体に有益な細菌(善玉菌)も存在しています。善玉菌は食べ物の消化に関与しています。そのため抗生物質の摂取によって善玉菌が減少すると、消化不良が起こりやすくなります。

未消化の食べ物は、腸にとって異物です。そのため消化不良が起こって未消化の食べ物が腸内を進んでいくと、これをすばやく排除するために腸の動きが活発になります。その結果、下痢が起こります。

また善玉菌は、悪玉菌の増殖を抑える働きがあります。そのため抗生物質の服用によって善玉菌が減少すると、悪玉菌に対する抑止力が低くなります。

このとき悪玉菌も、善玉菌と同様に抗生物質の影響を受けます。そのため抗生物質を服用すると、悪玉菌も減りやすい状態となります。

ただ善玉菌のエサは食物繊維などの限られたものである一方で、悪玉菌は脂質やタンパク質などのさまざまなものをエサとすることが可能です。

そのため悪玉菌はエサにできるものが多いことによって、善玉菌よりも抗生物質の影響下でも増加しやすいです。したがって善玉菌による悪玉菌への抑止力が低下すると、悪玉菌が増殖しやすくなります。

実際に、抗生物質を飲むとおならが臭くなる人は多いです。おならに含まれる悪臭成分は、悪玉菌が作り出します。つまりおならが臭いということは、悪玉菌が増加しているということを意味します。このことからも、抗生物質を服用すると腸内環境が悪くなることがわかります。

腸内環境が悪化して悪玉菌が増えると、腸の健康状態が悪化します。悪玉菌が有害な物質を作り出すためです。そのため腸内環境が悪化すると、腸の働きが異常化しやすくなります。その結果、下痢が起こりやすくなるのです。

また中には、腸の機能低下によって便秘が起こるタイプの人もいます。このことから抗生物質の服用は、下痢や便秘などの排便異常を引き起こすことがわかります。

抗生物質の副作用は痔の原因となる

痔は肛門に生じる病気です。そして肛門は便の通り道です。そのため痔の発症には、便の状態が深く関わっています。

例えば下痢になって便の水分量が多くなると、排便時に便が肛門を勢いよく通過します。そうすると、この刺激によって肛門皮膚が裂けやすくなります。切れ痔(裂肛)が起こりやすくなるのです。

また下痢によって何度も排便すると、その分だけいきむ回数が増えます。そうすると肛門組織に大量の血液が流れ込み、うっ血を起こして腫れ上がやすくなります。このようにして生じるのがいぼ痔(痔核)です。

さらに下痢によって生じる水っぽい便は、肛門以外の組織(肛門腺窩)に入り込みやすいです。おしりの内部に便が入り込んで便に含まれる細菌が増殖すると、化膿が起こってあな痔(痔ろう)の発症につながります。

また便秘によって便が固くなると、肛門が広がりきれずに裂けたり、強くいきむことによっていぼ痔が起こったりしやすくなります。さらに強くいきむと、肛門以外の組織に便が押し込まれやすくなるため、あな痔も発症しやすくなります。

このように痔は、下痢や便秘などが原因で起こります。そして前述のように、抗生物質を服用すると副作用として下痢・便秘が起こりやすくなります。このことから抗生物質は、間接的に痔の原因になることがわかります。

抗生物質の服用で痔が起こった場合の対処法

抗生物質を服用しているということは、病院で「細菌による感染症が起こっている」と診断されているはずです。そのため抗生物質が痔の原因であるとしても、自己判断で抗生物質の服用をやめてはいけません。

また抗生物質は、感染症による症状が治まっても処方された分がなくなるまで飲み切る必要があります。これは、体内の病原体をしっかり排除するためです。

感染症の症状が治まったとしても、病原体となった細菌がいなくなったわけではありません。そのためこのタイミングで抗生物質の服用を中止すると、病気の原因となった細菌が生き残りやすくなります。

このようにして生き残った細菌は、抗生物質が効かない個体(耐性菌)へと進化することがあります。

耐性菌が体内で再び増殖すると、治しづらい感染症を発症します。服用していた抗生物質が効かなくなっているためです。このようなことを防ぐためにも、痔を発症しても抗生物質の服用を自己判断でやめないことが大切です。

抗生物質の服用期間中の対処法

抗生物質による下痢や便秘などは、腸内環境の悪化によって引き起こされます。そのため腸内環境を改善する効果のある整腸薬を使用すると、下痢・便秘などの症状が改善しやすくなります。

整腸薬は善玉菌を主成分とする薬です。そのため整腸薬を使用すると、下痢・便秘などの症状が改善しやすくなります。

ただこのとき、市販の整腸薬を選ぶ際には注意が必要です。整腸薬に含まれている善玉菌の種類によっては、抗生物質の影響を受けて死んでしまうためです。

抗生物質によって薬の善玉菌が死んでしまうと、その分だけ整腸剤の効果が低下します。そのため抗生物質による下痢・便秘対策で整腸薬を選ぶ際には、抗生物質に強い細菌が配合されているものを選ぶことが大切です。

具体的には、ミヤリサンやビオスリーHi錠などの酪酸菌が配合されているものを選びましょう。

酪酸菌は、抗生物質の影響を受けにくいことで知られています。そのため酪酸菌が配合されている整腸薬を服用すると、抗生物質を服用していても腸内環境が整いやすくなります。

また腸内環境を整えるためには、食生活にも気を配る必要があります。

前述のように悪玉菌は、脂質やタンパク質などをエサにしています。そのためこれらを多く摂取していると、腸内の悪玉菌が増えやすくなります。

さらに、脂質やタンパク質などが多く含まれている食品は消化に時間がかかります。ただ抗生物質を服用している間は、消化吸収能力が低下しています。

そのため抗生物質の服用期間中に脂質・タンパク質が多い食品を多く食べると、消化不良が促進して下痢がひどくなりやすくなります。したがって抗生物質による下痢・便秘を防ぐためには、肉や脂っこいものなどの摂取を控えめにすることが大切です。

また、いぼ痔・切れ痔による症状がつらいようであれば、ボラギノールなどの痔の薬を活用する手段もあります。このような薬を使用すると、痛みや出血、かゆみなどが抑えられて痔の症状が軽くなります。

なお抗生物質の服用によって下痢が起こっても、安易に下痢止めを使用してはいけません。抗生物質によって起こる下痢の中には、悪玉菌の一種が異常に増殖することによって起こるタイプがあるためです。

このような悪玉菌は、腸への悪影響が強い毒素を放出します。そのため異常を感知した体がこの悪玉菌を排除するために、重症な下痢が起こります。

このようにして起こっている下痢を薬で無理やり止めてしまうと、症状の原因となっている細菌や有害物質などが腸内に留まったままとなります。

そうすると、腸の状態が著しく悪化してさまざまな病気の原因となります。したがって抗生物質の服用によって下痢が起こっても、自己判断で下痢止めを服用することは控えましょう。

抗生物質を服用し終えた後の対処法

抗生物質を服用し終えても、腸内の環境はすぐには元に戻りません。そのため抗生物質を服用し終えた後も、腸内環境を整えるための生活習慣を継続する必要があります。

ただ抗生物質を飲み終えたら、便秘薬や下痢止めなどが使用できるようになります。そのため抗生物質を飲み終えた後も便秘・下痢が起こっているようであれば、これらの薬を使って症状を抑えることが大切です。

・いぼ痔や切れ痔の場合

いぼ痔や切れ痔などを発症している場合、市販の薬で改善することができます。このとき痔に使える市販薬には、ボラギノールなどの塗り薬だけではなく、飲み薬(内服薬)もあります。

例えば漢方薬の一種である乙字湯は、痔によく効くとして有名な飲み薬です。乙字湯には痔の炎症を鎮める生薬が多数配合されているため、服用し始めて数日で痛みやかゆみなどの症状が緩和しやすくなります。

また乙字湯には便秘を改善する効果のあるダイオウや血行を良くするトウキなどが含まれています。

便秘が改善されると、その分だけ痔も治りやすくなります。また血行不良は、便秘や下痢と並ぶ痔の原因です。そのため乙字湯によって血行が改善されると、痔そのものが改善されていきます。

したがって痔に便秘を伴っているのであれば、乙字湯で痔を根本から治すことをおすすめします。

一方で抗生物質による下痢が長引いている場合は、乙字湯ではなく整腸剤の服用をおすすめします。下痢が起こりやすい状態で乙字湯を服用すると、ダイオウによる便秘改善効果が強く現れて下痢が悪化しやすくなるためです。

また抗生物質による下痢は、腸内環境の悪化によって起こります。そのため抗生物質が原因の下痢が長引いている場合は、下痢止めではなく整腸剤の服用が最適です。腸内環境が改善されて、下痢が根本から治りやすくなるためです。

前述のように抗生物質の服用中は、抗生物質に耐性のある善玉菌を摂取する必要があります。一方で抗生物質の服用を終えた後は、どのタイプの整腸剤を選んでも問題ありません。そのため価格や薬の形状などを基準に、服用しやすいものを選ぶといいでしょう。

・肛門周囲膿瘍、あな痔の場合

いぼ痔や切れ痔などが市販の薬で治せる一方で、あな痔は手術なしには治りません。そのため、おしりの皮膚や肛門などから膿が出るなどのあな痔症状が起こっているのであれば、病院を受診する必要があります。

また、あな痔の前段階の状態である肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのよう)は、発症した人の約半分が自然に治癒するとされています。以下が肛門周囲膿瘍の図です。

ただ抗生物質を服用し終えた後に肛門周囲膿瘍の症状が出ている場合は、注意が必要です。腸内環境の悪化は肛門周囲膿瘍を重症化させやすくするためです。

抗生物質の服用を終えても、腸内環境はすぐに回復しません。そのため下痢や便秘などの症状は、抗生物質の服用後も継続しやすいです。下痢・便秘は、どちらも肛門周囲膿瘍の原因となります。

また腸内環境が低下していると、免疫力も下がりやすいです。

善玉菌の中には、免疫細胞の働きを高める物質を作り出すものがあります。そのため腸内の善玉菌が多くなると、病原体に対する抵抗力が高くなります。

一方で悪玉菌は、体に有害な物質を作り出して腸の機能を低下させます。ただ腸には、悪玉菌への抵抗力を高めるために数多くの免疫細胞が配置されています。

そのため悪玉菌の有害物質によって腸に悪影響が及ぶと、同時に免疫細胞もダメージを受けます。つまり腸内の悪玉菌が増えると、免疫力が低下しやすくなるのです。

肛門周囲膿瘍はおしりの内部で細菌が増殖することによって起こる病気です。そのため免疫力が低くなると、その分だけ肛門周囲膿瘍が治癒しにくくなります。その結果、病気が進行してあな痔を発症することになります。

したがって抗生物質の服用後におしりの痛みや発熱などの肛門周囲膿瘍の症状が起こっているのであれば、病院で患部の切開措置を受けることをおすすめします。そうすることで、肛門周囲膿瘍が治る確率を高めることができます。

まとめ

抗生物質を服用すると、副作用として下痢・便秘が起こりやすくなります。これは抗生物質が腸内に住む細菌を排除し、腸内環境を乱すためです。

下痢や便秘などは、痔の最大の原因です。そのため抗生物質の服用によって下痢・便秘が起こると、痔が起こりやすくなります。このことから抗生物質は、痔の間接的な原因になるといえます。

ただ抗生物質によって痔が起こっても、薬の服用を中止してはいけません。感染症がぶり返したり治りにくくなったりするためです。

そのため抗生物質の服用によって痔が起こったのであれば、これまでに述べたような痔対策を実践しましょう。そうすることで抗生物質による腸内環境への悪影響を減らし、痔が治りやすくなります。


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