出産は痛いものであるということは、ほとんどの人が知っています。実際に出産の際には、陣痛や膣が広がる痛みなどを伴います。ただ、出産中には出産による痛みだけではなく、痔も生じることがあります。

出産によって起こる痛みは、痔の痛みがかすんでしまうほど強いです。そのため出産中に痔を生じても、痔の痛みを感じることはありません。

しかしながら出産を終えて体が落ち着いてくると、痔による痛みが表面化してきます。特に妊娠中に痔を発症していると、出産によって悪化して眠れないほどの激痛に襲われることがあります。

では、出産中にはなぜ痔が起こりやすいのでしょうか? また、出産中の痔を予防するためには、どのような点に注意すべきなのでしょうか?

そこで、ここでは出産中に痔を発症する理由と予防方法について解説していきます。

なぜ出産中に痔が起こるのか?

「出産中は痔になりやすい」ということは、経験した人でなければ実感が沸かないことでしょう。

実際に、痔には「座りっぱなしのおじさんが発症する病気」というイメージが根強く残っています。そのため比較的若年層である妊産婦は、痔とは無縁であると思われがちです。

ただ痔は、年齢や性別などにかかわらず誰もが発症することのある病気です。特に、妊娠中や出産中などの女性は痔を発症しやすい状態にあります。これは、強くいきむことが痔の発症原因となるためです。

痔の原因とは?

痔には大きく分けて、いぼ痔と切れ痔、あな痔の3種類があります。これらのうち、出産中に起こりやすいのはいぼ痔(痔核・じかく)です。

いぼ痔とは、肛門クッションと呼ばれる組織に大量の血液が溜まって腫れ上がる病気のことです。肛門クッションは水道のパッキンのような役割を果たしており、もともと血液が流れ込みやすい組織です。

このとき排便する姿勢や排便時にいきむ際などには、肛門へ強い圧力がかかって特に多くの血液が流れ込みます。このときにかかる血管への圧力は、脳の血管であれば破裂してしまうほどだといわれています。

そのため、排便の機会が多かったり排便時のいきみが強かったりすると、その分だけ肛門クッションへ血液が流れ込むことになります。このことから、下痢や便秘などになっているといぼ痔を発症しやすくなります。

また、排便時などに流れ込んだ肛門クッションの血液は、静脈と通って体内へと戻っていきます。このとき血行不良によって静脈が渋滞を起こした状態になっていると、肛門クッションの血液が体内へ戻れません。そのため、血行不良もいぼ痔の原因となります。

肛門クッションは直腸側と肛門側の2箇所に存在しています。これらのうち直腸側が腫れたものを内痔核(ないじかく)、肛門側が腫れたものを外痔核(がいじかく)と呼びます。

このとき、直腸側の肛門クッションには痛みを感じる神経がありません。そのため、内痔核そのものには痛覚がありません。一方で外痔核を生じる肛門クッションには痛みを感じる神経が多く通っています。そのため、外痔核を生じると動けないほどの激痛を生じます。

ただ、痛覚のない内痔核であっても、進行して肛門から脱出(脱肛)するようになると強い痛みを感じるようになります。このことから外痔核や重症な内痔核などを生じると、痛みによって日常生活がつらくなることがわかります。

出産中に痔が起こる原因

男性は出産を経験できません。そのため出産は、そのつらさを男性に伝えるために、さまざまな例え方をされています。

例えば、おなかの赤ちゃんが膣から出てくるときの痛みは、「鼻からスイカを出すような痛み」と例えられることが多いです。また、陣痛の痛みは腰をハンマーで砕かれるような痛みだといわれています。

ただ、男性だけではなく女性も、鼻からスイカを出したりハンマーで腰を砕かれたりしたことはないでしょう。そのためこれらの例えは、出産の痛みを経験したことがない人には伝わらないことが多いです。

しかしながら、便秘や下痢などの症状は、誰でも経験したことがあるはずです。そして出産による痛みは、これらの症状がひどくなったような痛みと例えることができるのです。

例えば、陣痛は「息が止まるほどの下痢の腹痛が定期的に起こり、痛む間隔が短くなっていくにつれて痛みが強くなっていくにもかかわらず、排便できない状態が数時間続くような痛み」と例えられます。

また、おなかの赤ちゃんが体外へ出るときには、「非常に大きく硬い便を無理やり排出する感じに似ている」といわれることがあります。そのため出産を排便に例えると、出産を経験したことがない人でも痛みを想像しやすくなります。

このとき、一般的に排便は汚いものとされています。そのため、出産をこのように排便に例えることに抵抗をもつ人は多いでしょう。ただ実は、出産と排便には多くの共通点があるのです。

便は腸が収縮することによって体外へと押し出されていきます。また出産も、子宮が収縮することによって赤ちゃんが体外へ押し出されます。そのため子宮が収縮する痛みである陣痛は、「腸が過剰に収縮している際の痛み=下痢の痛み」に似ているのです。

また出産と排便は、どちらも組織の中に存在しているものを外へ押し出す行為です。そして、子宮と腸は隣り合った位置に存在しています。

そのためおなかの赤ちゃんを体外へ押し出す際には、排便するときと同じ筋肉を使います。実際に出産時のいきみでは、排便をするときと同様の力の入れ方をします。

ただ出産時には、便秘の場合の便よりも大きなものを体外へ押し出します。そのため出産する際には、便秘のときとは比べものにならないほど強くいきむことになります。

前述のように、強くいきむとその分だけ肛門クッションに血液が流れ込みやすくなります。そのため出産の際のいきみでは、いぼ痔を生じやすいのです。

また妊娠中にいぼ痔を生じていると、出産中のいきみによっていぼ痔が悪化しやすくなります。そのため産後にいぼ痔で苦しまないようにするためには、出産前からいぼ痔対策を行うことが大切です。

帝王切開の場合は痔にならない?

前項で述べたように、出産中の痔は強いいきみによって起こります。このとき帝王切開による出産では、強くいきむ必要がありません。そのため、帝王切開での出産中にいぼ痔を生じることはありません。

ただ、帝王切開で出産したからといっていぼ痔にならないわけではありません。これは、妊娠中はもともと痔になりやすいためです。

妊娠中には、分泌されているホルモンや大きくなったおなかなどの影響によって腸の働きが低下しています。そのため妊娠中は便秘になりやすく、それによって痔の発症リスクが高くなっています。

また妊娠中の大きなおなかは、骨盤内の血管を圧迫して肛門付近の血行を悪くします。前述のように、血行不良もいぼ痔の原因です。そのため、妊娠中には痔になりやすいのです。

このとき、妊娠中に生じた「痔になりやすい体」は、出産後すぐに改善されるわけではありません。

例えば、妊娠中に低下した腸の働きは、産後すぐに回復するわけではありません。そのため多くの場合、妊娠中に便秘になっていると産後も便秘が続きます。

また帝王切開で出産すると、産後に切り開いた腹部が痛むようになります。このような状態では、排便時におなかへ力を入れづらくなります。そのため帝王切開を行った後には、便秘を発症しやすくなります。

さらに、妊娠中には子宮へ多くの血液を送るために母体の血液量が増えています。

このような血液は、出産後すぐに減少するわけではありません。そのため出産後には、「子宮」という行き場をなくした血液が全身に溢れかえり、むくみや血行不良などが起こりやすくなります。

このように帝王切開では出産中にいぼ痔を発症することはないものの、産後には痔を発症しやすい状態になります。そのため産後に痔で苦しまないためにも、「帝王切開だから痔を発症する心配はない」と思い込まないようにすることが大切です。

出産中の痔を防ぐための予防法とは?

出産中の痔は、強くいきむことによって起こります。しかしながら、経膣分娩では強くいきまなければ赤ちゃんを生むことができません。また強くいきまずに出産が長引くと、母子ともに命を落とす危険性があります。

そのため問題なく出産を終えるためには、痔を発症するリスクがあるとはいえ強くいきむ必要があるのです。このようなことから、出産中の痔の発症リスクをゼロにすることはできないということがわかります。

ただいくつかのポイントを踏まえることによって、発症リスクを下げることはできます。そのため出産中に痔を生じたくないのであれば、以下のような点に注意しましょう。

妊娠前の痔を改善しておく

妊娠中の痔を放置していると、出産時に悪化しやすくなります。そのため妊娠中に痔を生じているのであれば、出産前に治しておくのがベストです。

痔を改善するためには、便秘や血行不良などになりにくい生活を心がける必要があります。具体的には野菜や果物などを多く食べ、油っこいものやタンパク質などは過剰に摂取しないようにしましょう。

また便秘を防ぐためには、規則正しい排便習慣を身につけることが大切です。そのためには必要量の食事を規則正しく取り、食後に排便するくせをつけることが大切です。

このようなことから妊娠中には食事を抜かず、しっかり3食食べるようにしましょう。また適量の食事を摂ると、食後に便意が起こりやすくなります。そのため食後には排便するための時間を確保して、排便を我慢しないように注意することが大切です。

また下半身の血行不良は、歩行運動をしたり体を温めたりすることによって改善しやすくなります。体を動かすことは、体重管理や出産のための体力づくりにも役立ちます。そのためおなかが重くて歩きづらくても、毎日30分は散歩などの時間を取るようにしましょう。

肛門を押してもらう

出産時のいきみによるいぼ痔は、肛門を押さえてもらうことによって予防しやすくなります。肛門部分を押してもらうとその分だけ肛門に血液が流れ込みにくくなり、いぼ痔を発症しにくくなります。

このとき、いぼ痔を発症しないようにするためには肛門をかなりの強さで押さえてもらう必要があります。また押さえる場所が適切でなければ、肛門クッションへの血流を抑えることはできません。つまり、うまく肛門を押さえるにはコツが必要なのです。

このとき、妊婦の中にはいぼ痔予防のために、出産に立ち会うパートナーに肛門を押してもらおうとする人が多いです。ただパートナーが医療関係者ではない場合、肛門をうまく押さえることは期待できません。

さらに、出産に立ち会っているパートナーは冷静ではないことが多いです。そのため妊婦が出産中にパートナーに押さえる場所などを指示しても、望む通りにしてもらえないことがほとんどです。

このようなことから出産中のいぼ痔を予防したいのであれば、助産師に肛門を押さえてもらう方が安心であるといえます。事前に出産中の痔が心配だということを伝えておけば、痔が起こらないように助産師や産婦人科医などが介助してくれるはずです。

もしパートナーに協力してもらいたい場合は、事前に押さえる部分と押さえ方のコツを確かめておくようにしましょう。具体的には、にぎりこぶしやテニスボールなどを肛門に当て、強すぎると感じるくらいの力で押すことが大切です。

リラックスすることが大切

出産は自動的に進んでいくものではありません。特に初産婦では、妊婦自身が出産に取り組もうとしなければ出産が長引きやすいです。

例えばいくら便意を感じていても、周りの人に見られている状況では排便ができません。これは、心身が緊張すると排便するための筋肉に力が入らなくなるためです。そのため排便するためには、個室などのリラックスできる環境が必要となります。

これと同様に、心身が緊張しているとおなかに力が入らず、おなかの赤ちゃんをうまく押し出せなくなります。そのため、出産に恐怖心を抱いていたり無意識に出産による痛みを避けようとしたりしていると、出産が長引きやすくなります。

出産が長引くと、その分だけ肛門クッションに血液が入り込みやすい状況が続きます。そのため緊張した状態で出産に臨むと、いぼ痔を発症するリスクが高くなります。このようなことから、出産中のいぼ痔を防ぐためには、リラックスして出産に臨むことが大切です。

まとめ

出産中はおなかの赤ちゃんを外へ押し出すために、強くいきむことになります。強くいきむと肛門クッションに多くの血液が流れ込むため、いぼ痔を発症しやすくなります。

ただ、出産中には自然といきみたくなってきます。そのため、いぼ痔を生じるリスクがあるからといって、「いきまない」という選択はできません。

また経膣分娩では、強くいきまなければ赤ちゃんが外に出てこられません。そのため強くいきむことを避けていると、出産が長引いていぼ痔が起こりやすい状況が続くことになります。このことから、出産中のいぼ痔リスクは避けられないものであるといえます。

しかしながら、前述したような点に注意することによって出産中のいぼ痔リスクを低下させることはできます。

そのため、出産中のいぼ痔を予防したいのであれば、妊娠中に痔を改善したりリラックスして出産に臨んだりすることが大切です。そうすることによって、産後にいぼ痔で苦しむことがなくなり、集中して育児に取り組めるようになります。


痔であると、トイレの中を血まみれにするだけでなく、座ったときに異常な痛みが起こる人も多いです。トイレのとき、その痛みから私もトイレに行くのが毎日怖いときがありました。

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痔の悩みは周りに相談しにくいです。だからこそ、医薬品を活用して本気で症状を治し、元気な日常生活を取り戻そうとする人は多いです。

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