皮膚に使う薬の中には、さまざまなタイプがあります。その中でもアズノール軟膏は、高い安全性から使用できる幅が広いというメリットがあります。

このときアズノール軟膏の効能には、「痔」という項目がありません。そのためアズノール軟膏は、痔のための薬であるとはいえません。

ただ痔の中には、肛門の皮膚部分にできるタイプのものがあります。そのため皮膚薬であるアズノール軟膏は、肛門皮膚にできた痔に使えそうな印象を受けます。

ではアズノール軟膏は、肛門に使うことができるのでしょうか? またアズノール軟膏の効果とは、どのようなものなのでしょうか?

そこでここでは、アズノール軟膏と痔の関係性とアズノール軟膏の効能や使い方などについて解説していきます。

アズノール軟膏は痔に使えるのか?

アズノール軟膏とは湿疹ややけどなどを治療するために処方される皮膚薬です。

アズノール軟膏に含まれる有効成分は、天然の植物から抽出された物質です。そのためアズノール軟膏は他の皮膚薬よりも、皮膚に対する刺激が弱いです。このことからアズノール軟膏は、顔などの皮膚の薄い部分や赤ちゃんの肌などにも使われています。

またアズノール軟膏には、ラノリンや白色ワセリンなどが基剤として使われています。これらはどちらも、皮膚を保湿して保護する働きがあります。そのためアズノール軟膏は、皮膚を保護する目的で使われることもあります。

アズノール軟膏の効能と適用範囲

アズノール軟膏の主成分は、ジメチルイソプロピルアズレン(グアイアズレン)です。グアイアズレンには、炎症やアレルギーなどを抑えたり傷の治りを早めたりする働きがあります。

グアイアズレンはカモミール(カミツレ)に由来する成分です。

カモミールは昔から、痛みを抑える薬として使われてきました。そしてカモミールの抗炎症作用を研究した結果、アズレンという成分に薬効があることがわかりました。

アズノール軟膏に含まれるグアイアズレンは、このようなアズレンの仲間にあたる物質です。このようなことからアズノール軟膏は、カモミールがもつ効能と同じ作用をもつ薬であるといえます。

実際にアズノール軟膏は、カモミールから抽出した液体(精油)と同じ色をしています。これはアズノール軟膏とカモミールに共通する成分(グアイアズレン)が含まれているためです。

前述のようにアズノール軟膏は、顔を含めたすべての皮膚に使用できます。そのため肛門の皮膚部分に、アズノール軟膏を使用することは可能です。

したがってアズノール軟膏は、痔に使用できます。実際に痔の種類によっては、医者からアズノール軟膏が処方されることがあります。

アズノール軟膏を肛門に塗ると、痔による炎症が抑えられます。炎症は痛みを感じる原因となっている現象です。そのためアズノール軟膏を痔に使用すると、痔の痛みが軽減します。

ただ赤ちゃんも安心して使える薬であるということは、体への作用が強くないということを意味します。

実際にアズノール軟膏の抗炎症作用は、他の薬に比べて低いです。そのため痔の症状が重い場合、アズノール軟膏を痔の患部に使用しても効果が実感できないことがあります。

アズノール軟膏が使える痔とは?

痔にはいぼ痔(痔核)切れ痔(裂肛)あな痔(痔瘻・じろう)の3種類があります。これらのうちアズノール軟膏が使えるのは、いぼ痔と切れ痔です。

いぼ痔には肛門の中にできるタイプ(内痔核・ないじかく)と肛門の外側にできるタイプ(外痔核)の2種類があります。

外痔核は肛門外側にできるため、アズノール軟膏を塗ることができます。これに対して内痔核は肛門内側にできる痔であるため、アズノール軟膏を塗ることはできません。

ただ内痔核が進行すると、肛門外側に飛び出るようになります(脱肛)。そのため脱肛した内痔核には、アズノール軟膏が使用できます。

また切れ痔は肛門の皮膚部分にできる裂け傷です。このとき前述のように、アズノール軟膏には傷の治りを早める効果が確認されています。そのためアズノール軟膏を切れ痔に使うと、痛みが軽減するだけではなく切れ痔そのものが治りやすくなります。

一方でアズノール軟膏は、あな痔に用いることはできません。

あな痔を発症すると、おしりの皮膚などに小さな穴が空き、この部分から膿が出てくるようになります。膿は体の抵抗力と細菌が戦うことによって生じます。

このとき生成される膿の量が多くなると、その分だけ炎症が強くなります。そのためあな痔による痛みを鎮めるためには、膿の生成を抑える=細菌を殺す必要があります。具体的にいうと化膿している組織には、抗生剤を使う必要があるのです。

ただアズノール軟膏には、抗生剤が含まれていません。そのためアズノール軟膏をあな痔に使用しても、膿の生成を抑えることはできません。このことからアズノール軟膏は、あな痔の症状を緩和させることができないといえます。

さらにあな痔は、外科的処置を受けなければ治らない病気です。そのためたとえアズノール軟膏によってあな痔の炎症が一時的に和らいだとしても、あな痔そのものが良くなることはありません。したがってあな痔には、アズノール軟膏を含めて薬を使用しないようにしましょう。

アズノール軟膏を痔に使う場合の注意点

前述のようにいぼ痔や切れ痔などを生じている人は、アズノール軟膏を使用することで症状が緩和する可能性があります。

ただアズノール軟膏の抗炎症作用は弱めです。そのためアズノール軟膏は、炎症が強く起こっている痔には向かないといえます。したがって痔の痛みが強い場合には、アズノール軟膏ではなく別の薬を使うようにしましょう。

また他にもアズノール軟膏を使用する際には、いくつかの注意点があります。そのためアズノール軟膏は、以下に述べるような内容を理解した上で正しく使うようにしましょう。

医者の指示で使うのが基本

アズノール軟膏は、医師の処方がなければ手に入れることができない医療用医薬品です。そのためドラッグストアなどの薬店でアズノール軟膏を購入することはできません。

このとき痔で病院にかかった際にアズノール軟膏をもらったのであれば、医者が「アズノール軟膏を使用するべき痔である」と判断しているといえます。そのためこの場合は、迷わずアズノール軟膏を痔の患部に使用するべきです。

ただ他の病気を治療するためにアズノール軟膏をもらっていた場合、自身の痔が「アズノール軟膏の使用が適切な痔かどうか」がわかりません。

そのため基本的には、他の病気を治療するために処方されたアズノール軟膏を、痔などの違う病気を治すために使用することは推奨されません。

しかしながらアズノール軟膏は、作用の弱い薬です。そのためアズノール軟膏を肛門に使って重篤な副作用を生じることは考えにくいです。また実際に、アズノール軟膏を使用して重篤な副作用が起こったという報告はありません。

そのためいぼ痔や切れ痔などの症状が出ていて他に適切な薬がない場合は、痛みなどを緩和する目的でアズノール軟膏を使っても問題は起こらないといえます。

ただ肛門やおしりの皮膚などから膿が出ているなどのあな痔症状があるのであれば薬を使わずに、すぐに病院に行くことをおすすめします。

また肛門に限らず、アズノール軟膏を使用した皮膚にかゆみや刺激感、発疹などが現れたら使用を中止しましょう。

チューブの口に皮膚が触れないようにする

アズノール軟膏を痔に使うということは、肛門に薬を塗るということになります。

ただ肛門は、便の通り道です。そのため肛門には便に含まれている細菌などが多く含まれています。このような細菌がアズノール軟膏の中に入ると、薬が細菌で汚染されます。

そうすると人体に有益であるどころか、かえって害のある薬となります。したがってアズノール軟膏を使う際には、肛門の細菌などが入り込まないように注意する必要があります。

具体的にいうと、チューブから直接肛門に塗ることは絶対避けるべきです。

またアズノール軟膏を指に取り出す場合は、肛門に触れた指で軟膏チューブの口に触れないようにすることが大切です。そして肛門にアズノール軟膏を塗る際には、清潔な指に軟膏を取り出すようにしましょう。

アズノール軟膏の効能を活かす使い方

飲み薬であれば、使用方法を事前に確認する人がほとんどです。例えば1日に飲む回数や薬を飲むタイミングなどを調べてから服用し始めるはずです。

これに対して塗り薬は、下調べなしに患部へ塗られることが多いです。たしかに塗り薬はどれも、指にとって患部に塗って使うのが基本です。そのためアズノール軟膏も、使い方を調べなくても使用することはできます。

ただどのような薬であっても、薬には「効果を高める適切な使用方法」があります。そのため薬の効果を活かすためには、薬を正しく使うことが大切です。

痔の痛みを緩和するために使う場合

痔の痛みを軽減するためにアズノール軟膏を使う場合、軟膏を肛門に塗ることになります。このとき多くの人は、アズノール軟膏を指に出して肛門に塗ります。

ただこのとき、痔の患部に触れると痛みが起こります。そのため痔の患部に指で薬を塗ると、痛みを生じることがあります。このことから痔の患部に軟膏を塗る際は、直接触らないようにすることをおすすめします。

具体的にいうと、大きめに切ったガーゼの上に、軟膏を多めに出します。そして軟膏をガーゼごと肛門に当てるようにして塗布します。

そうすることによって痔の患部に触れることなく、痛みを感じずに薬を塗ることができます。

またガーゼを使って痔の患部に薬を塗ると、薬が痔の患部を覆います。そうすると痔の患部が空気や水などと触れたり擦れたりしにくくなるため、痛みを感じにくくなります。

さらに痔の患部に薬をたっぷり塗ると、アズノール軟膏の効能がしっかり現れやすくなります。そのためアズノール軟膏を痔の患部に塗る際には、指ではなくガーゼを使用するようにしましょう。

潤滑剤として使う場合

アズノール軟膏は痔の症状を軽減するためではだけではなく、潤滑剤として使用することもできます。

例えば脱肛した内痔核には、強い痛みが伴います。ただこのような痛みは、いぼ痔を肛門の中に戻すとほとんど感じなくなります。そのため内痔核が脱肛したら、なるべく早く肛門に押し込むのが好ましいです。

ただこのとき肛門がしっかり締まっていると、内痔核を無理やり肛門内に入れる際に強い痛みが起こることがあります。

また無理に押し込んでしまうと内痔核が擦れて、肛門の皮膚に傷がつくことがあります。そのため内痔核を肛門内に押し込む際には、潤滑剤を使用するのが好ましいです。

またいぼ痔や切れ痔などの治療には、注入軟膏が用いられることがあります。注入軟膏とは、痔を治すための薬剤がスポイトに入った状態になっている薬です。

注入軟膏を肛門内に挿れる際には、スポイトの注入部分を肛門内に差し込む必要があります。

ただこの場合も、肛門の締まりがきついと注入部分が肛門内へスムーズに入りづらいです。そのため注入軟膏を使用する際には、注入部分に潤滑剤を塗ることが推奨されます。

このときアズノール軟膏には、白色ワセリンなどの皮膚を保護する成分が含まれています。そのためアズノール軟膏を肛門に塗ってから脱肛した内痔核や注入軟膏などを肛門内に入れると、スムーズに入りやすくなります。

したがってこれらを肛門内に入れる際に痛みを感じるようであれば、アズノール軟膏を肛門に塗るようにしましょう。そうすることで摩擦によって痛みを生じたり皮膚に傷がついたりすることを防ぐことができます。

まとめ

アズノール軟膏は肛門に塗ることのできる塗り薬です。またアズノール軟膏には、炎症を抑えたり傷を治りやすくしたりする効果があります。

そのためアズノール軟膏を痔の患部に使うと、痔の症状が和らいだり切れ痔が治りやすくなったりします。実際に痔の症状を緩和することを目的に、医者からアズノール軟膏を処方されることがあります。

ただアズノール軟膏の抗炎症作用は弱めです。そのため痔に強い痛みを伴っている場合、アズノール軟膏では症状を軽減できないことがあります。したがって重症化した痔を治療する場合は、他の痔の薬を選ぶのが無難だといえます。

しかしながらアズノール軟膏は、脱肛した内痔核を肛門内に押し込んだり注入軟膏を肛門内部に塗布したりするときの潤滑剤としても使えます。

そのため軽症の痔を発症していたり肛門内に内痔核などを入れたりする際には、アズノール軟膏を活用しましょう。そうすることで痔を改善したり、肛門の皮膚が摩擦で傷つくのを防いだりすることができます。


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